昨シーズンでSUPER GTのレースアンバサダーを卒業して、現在、モデル活動をしながらプロカメラマンを目指して見習い中の後藤佑紀です。昨年10月に新色キャメルオレンジが加わった「LUMIX S9」を2週間ほどお借りしたのでレビューをしていきます! 初めてのレビューなのでお手柔らかに読んでいただけますと幸いです。
今回お借りした「LUMIX S9」は「S9N-D」というレンズキットで、「LUMIX S18-40mm F4.5-6.3」がセットになっています。キャメルオレンジのボディに合うようにレンズの色もシルバーになっています。まず初めてこのカメラを手にして思ったのは、とにかくおしゃれ! そして軽い!! 私服に合わせカメラストラップも純正から手持ちのブラウンのレザーに変えてみました。めちゃくちゃかわいくないですか!?
バッテリーを入れても重さは約486gという驚異の軽さ! 一斤の食パンよりも軽く、500mlのペットボトルよりもギリ軽いです。普段サーキットの撮影では約3.5㎏を担いでいる私からすれば軽すぎて不安になるほど…。しかもこの軽さでセンサーはフルサイズという重パです(重量パフォーマンス)笑。
持ち運びやすさもさることながら、レンズキットは18-40mmで旅行やスナップ、vlogにかなり向いているカメラだと感じました。超広角でダイナミックに風景を撮るもよし、ズームしてポートレートを撮るもよし。お出かけにぴったりなカメラです。
ファインダーがないのが最初は少し不思議な感じでしたが、まぁそのうち慣れます。
写真を撮るのに夢中でファインダーにアイシャドウがついてしまうことも多々あるので、出先で確認しながらのんびり撮る分には問題はないと感じました。なによりお手軽なのにフルサイズという観点からこれからカメラを始めたいという方や旅行でワンランク上の写真を撮りたい方にうってつけのカメラではないでしょうか?
撮りたいときにすぐ撮れる手軽さ
とても持ち運びしやすく、デザインもかわいいので「これを撮りたい!」というより、スマホのようにとにかく持ち歩く! ということを意識しました。お借りしていた期間に浅草近辺や夜にお台場に行く機会があったのでそこで撮影してみたり、レースクイーンのお友達の引地裕美ちゃんと撮影の機会があったので、新宿の歩行者天国でスナップを撮ったりしました。私は普段のお出かけでもカメラを持ち歩くように心がけているのですが、どうしても重装備になってしまい…(笑)。撮りたいと思った瞬間の人通りであったり光だったりを撮りたいのですが、一度足を止めてカメラバッグから取り出してレンズをつけて…となってしまうと、カメラを日常的に持ち歩くのはハードルが少し高くなってしまいますよね。その点「LUMIX S9」は首から下げても重くは感じなかったので、下げたまま練り歩き、撮りたいと思ったらキャップを外して電源を入れるだけで気軽に撮影を楽しめました。
LUT機能がめちゃくちゃ楽しい!
そして今回感動したのがLUT(Lookup Tables)です。簡単にいえば写真アプリのフィルターのようなものです。「LUMIX Lab」というスマホアプリからクリエイターのLUTをダウンロードすることができ、スマホとカメラを連動することでカメラ本体にもLUTを入れることができます。LUTを設定して写真を撮れるので“この風景にはこのLUTが合うかな?”とか“いろんなLUTで撮り比べてみよう”なんてことができるわけです。
操作も簡単。背面の液晶モニター上部にある「LUT」ボタンを押せば設定したLUTが反映されて、リアルタイムで確認することができます。ノーマルに戻したいときは、「Q」ボタンで解除できます。
出先で活躍しそうなカメラだけに、好きな雰囲気をjpegで撮ってすぐアップしたり送れたりするなんて最高ですよね? S9からLUTの濃淡を調節できる機能が搭載されて、10%刻みで好きに選ぶことが出来るので更に自分の好みに近づけられそう!
更に2つのLUTを組み合わせることも可能。こちらもLUTの濃淡&対比を自由に変えられるので自分で作成しなくてもオリジナリティが出せちゃいます!
私が使ってみた中では「Sample LUT3」と「TealFlat-S」がお気に入りです。
そして更にLUTを楽しみたいという方…自分で作ることもできます!! 「LUMIX Lab」に撮影した写真を取り込み、編集するだけ! そのままLUTとして保存することができます。カメラ本体でも多少のLUTいじりはできますが、「LUMIX Lab」を使うとカラーやHSL、トーンカーブなどLightroomさながらの編集ができるんです。シンプルで感覚的に使えるのも嬉しいポイントです。そして出来上がった編集をLUTとしてカメラに保存をして、撮影をする。こだわりたい方は一度だけ編集をすれば、次からは撮って出しでオリジナリティ溢れる写真を撮ることができるというわけです。
自分になかった表現に出会える
夜景以外であればキットレンズの「LUMIX S18-40mm F4.5-6.3」で十二分に満足ができました。F4.5-6.3のレンズなので陽が暮れてきたときにピントが合い辛く、ファインダーがないというのは少し不便に感じましたが、なにせ本体が軽いので夜用に明るいレンズを一本持っていてもいいかもしれませんね!(そしてまた重くなる荷物w)
私は普段風景写真やポートレートを撮るときに現像ありきで撮影をすることが多いです。大体の現像の方向性をイメージしながら撮影をするのですが、LUT機能があることで意外に合う色味を発見できたことがよかったです。夕日はこう、ビル街はこうという目で見ていたので、一先ずLUTを変えてバシャバシャ撮ってみると意外なLUTが自分の中でヒットする。自分の現像ではやってこなかったような新しい写真に出会える感覚でした。
持ち運びやすい上にカメラとスマホだけでこだわりの写真を生み出せるカメラだと感じたので、初心者の方から、こだわりが強い方まで皆さんにぜひ試していただきたいカメラのひとつです。
私はカメラを初めてもうすぐ3年目になります。今まで撮ってきたジャンル(風景・車・スナップ)を更にレベルアップさせるために、とにかく色々な写真を見て分析して私ならではの写真を見つけたいと思います。撮影自体も昨年の倍に迫る勢いでたくさんの経験を詰む、成長の一年にしたいと考えています。
作例撮影・文 / 後藤佑紀
後藤さん撮影 / 編集部
後藤佑紀さん プロフィール
2月19日生まれ。愛知県出身。モデル。元SUPER GTレースアンバサダー(muta racing fairies2024)。2024年ニコン「フォトサポ」アンバサダー(スーパーフォーミュラ担当)。レースクイーンをやりながら趣味で始めたカメラにはまり、『撮られる側』から『撮る側』に転身をしました。今までの経験を活かし、それぞれの良さを更に引き立てる写真を撮ります。
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LUMIX S9 主な仕様
有効画素数 2420万画素
撮像素子 35mmフルサイズCMOSセンサー
マウント Lマウント
ISO感度 ISO 100~51200 (拡張 ISO 50 / 102400 / 204800)
シャッター速度 静止画 1/8000〜60秒、動画 1/16000〜1/25秒
画像モニター 3.0型 液晶モニター (静電容量方式タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-II対応)
外寸 (幅×高さ×奥行き) 約126×73.9×46.7mm (突起部を除く)
質量 約403g (本体のみ)、約486g (バッテリー、メモリーカードを含む)
LUMIX S 18-40mm F4.5-6.3 主な仕様
対応マウント ライカカメラ社L-Mount規格準拠
焦点距離 18-44mm
レンズ構成 7群8枚 (非球面レンズ3枚、EDレンズ2枚、UHRレンズ1枚)
開放絞り F4.5-6.3
最小絞り F22-32
絞り羽根枚数 7枚羽根/円形虹彩絞り
最短撮影距離 0.15m(W端~焦点距離21mm)/ 0.35m(T端)(撮像面から)
最大撮影倍率 0.28倍(焦点距離21mm)
フィルター径 62mm
最大径×長さ 約φ67.9×約40.9mm
質量 約155g
付属品 フロントキャップ、リアキャップ