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OM SYSTEM OM-3 レビュー! 銀塩OMの伝統を受け継ぐ小型上質デザイン【CP+2025】OM SYSTEM

カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+2025」が、2025年2月27日~3月2日にリアル会場とオンラインで開催。今年は過去最多となる125の企業・団体が出展しています。リアル会場から、注目の新製品や各社のイチオシ、取材スタッフが見つけた注目アイテムを紹介します。

OM SYSTEM

OMデジタルソリューションズ「OM SYSTEM」のブースでは、2月6日に発表した最新ミラーレスカメラ「OM-3」と3本の新しいM.ZUIKO DIGITAL交換レンズの体感コーナーが注目の的。多くの来場者が、順番待ちの列に並んでいた。もちろん、ほかのOM SYSTEMのミラーレスカメラや交換レンズも豊富に用意されていて、実際に手に取って体感することができる。

【CP+2025】OM SYSTEM
会場内で一際目を引くのが、ブース中央に設けられた “森の木立” をイメージさせる大掛かりなディスプレイ。ちなみに、この状況写真は、1段高い場所に設営された交換レンズの体感コーナーから撮影したもの。

小型軽量設計の上質な高機能モデル「OM SYSTEM OM-3」

1972年発売の「オリンパス OM-1」(当初の名前は「M-1」) は、世界最小最軽量を実現した、カメラ史に名を刻む一眼レフ。その “銀塩OM” の伝統を受け継ぐデザインを採用したのが「OM SYSTEM OM-3」である。ペンタ部のラインは “銀塩のOM-1” 譲りの絞り込んだシャープな印象。また、ほかのOM SYSTEMミラーレスカメラよりも横長スタイル。そういったあたりのボディデザインが、「OM-3」の印象的な部分と言えるだろう。

そんな、どこか懐かしさを覚える銀塩一眼レフライクなデザインだが、デジタルカメラとしての機能や仕様は、フラッグシップ機に引けを取らないハイスペックを誇る。撮像センサーは、有効約2037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサー。画像処理エンジンは「TruePic X」。これらは、フラッグシップ機「OM-1 Mark II」と同じもの。常用感度の最大値もISO25600と、同じである。当然、AI被写体認識AFも搭載され、先進のデジタル技術による「コンピュテーショナル フォトグラフィ」機能も充実している。

【CP+2025】OM SYSTEM
ボディ前面には、2016年発売のミラーレスカメラ「PEN-F」を彷彿とさせるクリエイティブダイヤルを装備している。2025年3月1日発売。価格はオープンで、参考価格はボディが264,000円、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」同梱のレンズキットは297,000円 (いずれも税込)。
【CP+2025】OM SYSTEM
「OM-3」のボディ素材はマグネシウム合金で、表面のシルバー塗装の色味は「OM-5」や「PEN-F」などのシルバーモデルとは変えてある。そして、ダイヤル類はアルミ削り出し。そのローレット加工パターンも他モデルとは違い、銀塩OM-1を意識したものになっている。
【CP+2025】OM SYSTEM
「OM-1 Mark II」と同じ撮像センサーと画像処理エンジンを搭載し、同レベルのハイパフォーマンスを実現するため、使用バッテリーも同じ「BLX-1」を採用。薄型設計の「OM-3」ボディに収納するため、設計や製造にかなり苦労したらしい。
【CP+2025】OM SYSTEM
「OM-3」にはリモートケーブル端子が装備されていない。そのため、リモート撮影を行うには「OM-3」と同時発売の「ワイヤレスリモコン RM-WR2」を用意する。通信方式は省電力なBluetooth Low Energyで、カメラボディから10m以内の距離での通信が可能。防塵・防滴保護等級 IP57に対応しているので、悪天候でも使用できる。

コンパクトで気軽に使える2本の単焦点レンズ

「OM-3」と同時に、3本のM.ZUIKO DIGITALレンズも発表された。その中でも、小型軽量で薄型設計の「OM-3」にピッタリなのが「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II」と「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II」の、2本の大口径単焦点レンズ。17mmは34mm相当の広角画角で、25mmは50mm相当の標準画角になる (いずれも35mm判換算)。

どちらも高い描写性能と小型化を両立させた “常用レンズ” に相応しい製品である。ちなみに、従来から17mm F1.8と25mm F1.8という仕様の製品は発売されていた。それらと比較すると、II型には防塵・防滴の仕様が施されている。また、従来の17mm F1.8には、指定の距離にフォーカスを移動させる「スナップショットフォーカス機構」が搭載されていたが、今回のII型では省かれている。

【CP+2025】OM SYSTEM
手前は「M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 II」で、「OM-3」ボディに装着しているのが「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8 II」。これらの防塵・防滴設計同士の組み合わせなら、急な天候変化に遭遇しても安心して撮影できる。いずれも2025年3月1日発売。希望小売価格は17mmが71,500円、17mmが60,500円 (いずれも税込)。

手ブレ補正性能が強化された小型軽量な超望遠ズームレンズ

2本の大口径単焦点レンズと同様、超望遠ズームレンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS II」も、従来製品の進化モデルである。カバーする画角は、200mmから800mm相当。そして、別売の「M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14」と、「M.ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter MC-20」にも対応。「MC-20」使用時には、最大1600mm相当の超望遠画角での撮影が可能になる (いずれも35mm判換算)。

従来製品からの最大の進化点は、手ブレ補正機能の性能向上。高精度ジャイロセンサーの搭載と、手ブレ制御アルゴリズムの最適化で「5軸シンクロ手ぶれ補正」を実現。これによって、その補正段数はOM SYSTEMレンズ群の中でもトップクラスに迫る “最大7.0段” の効果を得ることができる (ワイド側7.0段・テレ側5.5段)。5軸シンクロ手ブレ補正対応ボディと組み合わせて試してみると、ファインダー画面がピタッと張りつくような安定状態に! こういった状態からも、手ブレ補正性能の高さが実感できる。

【CP+2025】OM SYSTEM
全長205.6mm・三脚座込みの重量1,300g (従来製品より25g軽量化) の小型軽量設計。最短撮影距離はズーム全域1.3mで、最大撮影倍率は0.57倍相当 (35mm判換算)。マクロ撮影も楽しめる超望遠ズームレンズなのだ。2025年3月1日発売。希望小売価格231,000円 (税込)。
【CP+2025】OM SYSTEM
分割タイプの、新設計の三脚座を装備 (従来製品は引き抜くタイプ)。その仕様の変更によって、カメラとレンズを装着したままでの着脱が可能になった。

「ミレー」と共同開発したアウトドアグッズも登場!

「OM SYSTEM」と、フランスを代表するアルパインブランド「ミレー」。その両ブランドの知識と技術を結集して共同開発した新製品「OM SYSTEM × MILLET オリジナル ウェアラブル ショルダーフォトポケット」が発売された。本製品はアウトドア撮影向けの着脱式フォトポケットで、バックパックを地面に下ろさずに (背負った状態で)、交換レンズやアクセサリーの素早い取り出しが可能になる。しかも、バックパックの種類や大きさに関わらず取り付けられる汎用性の高さも兼ね備えている。

※スタビライザーストラップや持ち手がないもの、ショルダーハーネス付け根の仕様により取り付けられない場合もある。

【CP+2025】OM SYSTEM
「OM SYSTEM × MILLET オリジナル ウェアラブル ショルダーフォトポケット」の装着例。2025年2月26日から公式オンラインストアなどで発売。価格は9,800円 (税込) 。
【CP+2025】OM SYSTEM
下部ポケットに収納している「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」を取り出しているところ。なお、上部ポケットには、もっと大柄な「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」などの収納も可能。
【CP+2025】OM SYSTEM
1972年発売の「OM-1」(銀塩) から、2025年発売の「OM-3」まで。ブースの外側には “OMの伝統” を受け継いできた代表的な6機種が、ショーケース内に展示されていた。