機材レポート

【レビュー】このサイズ感を待っていた! コンパクトなハイスペックPC「DAIV KM-I7G7T」

マウスコンピューターのクリエイター向けPCブランド「DAIV」。今回、DAIVブランドとしては初のミニタワー型デスクトップPC「KMシリーズ」が登場した。

DAIV KM-I7G7T

 

フルタワー型デスクトップPC「FXシリーズ」のパフォーマンスには確かに定評があるが、正直ホームユースには辛いサイズだったのも事実。「フルタワー級の性能を備えつつ、もう少しコンパクトなモデルが求められているのでは?」と感じていたが、まさにちょうどいいサイズと性能を両立した待望のミニタワーとなっている。このサイズ感を待ち望んでいた人も多いのではないだろうか?

KMシリーズの価格は「KM-I5G5A」の179,800円からとなっている。今回使用したのは、CPUにCore Ultra 7 265、メモリ32GB搭載、ストレージに2TB M.2 SSD、GPUにGeForce RTX 5070 Ti (16GB) を使用したハイスペックモデル「KM-I7G7T」で、価格は419,800円 (税込) から。圧倒的な高性能を持っているが、さらに自分好みのカスタマイズも可能となっている。

新設計のミニタワー型ケース

ケースの外観は、DAIVのフルタワーのデザインを継承しつつ、特に高さを抑えてコンパクト化。自作PC用ケースとは比較にならない高い質感を備えている。

DAIV KM-I7G7T

 

KM-I7G7Tの背面インターフェース。DisplayPort ×3、HDMI ×1を搭載するグラフィックスカードに加え、豊富なUSB端子などが並ぶ。これだけあればインターフェースに不足を感じることはないだろう。

DAIV KM-I7G7T

フルタワー型ケースと比較してみた

フルタワーの約220×530×525mmに対して、ミニタワーの大きさは約215×465×380mm。体積で33%小型化されており、実際の見た目は半分くらいに感じられる。

DAIV KM-I7G7T

 

KM-I7G7Tの質量は約11.7kg。フルタワーと重さ自体はそれほど変わらないが、持ちやすいので、箱から出したり、場所の移動などは圧倒的に楽にできる。

DAIV KM-I7G7T

内部にもアクセスしやすいケース構造

背面の極小のネジを外すだけで、ケース左右のパネルが簡単に取り外しできる。建て付けがいいので、しっかりケースにはめることが可能。ただし、ネジが小さすぎてやや扱いにくいので、ここはできれば改善してほしいところ。

DAIV KM-I7G7T

また、ケース本体の剛性も高い。さらに大型グラフィックスカード搭載時にはサポートバーが付くことで、ズレ、脱落を防止する。これなら長期でも安心して使用できるだろう。

水冷式により冷却性能と静寂性が抜群

熱せられた空気をケース背面と上部から排出するエアフローで、内部を効率的に冷却できる。特にKM-I7G7Tは水冷CPUクーラーを採用。冷却性能の高さに加え、複数のファンが回転していたというのに驚くほど静かなのが印象的だった。

DAIV KM-I7G7T

DAIV KM-I7G7T
エアフローイメージ図

 

上部の240mmラジエーターから効果的に熱を排出する。熱による性能低下を防げるから、長時間の動画編集や大量の写真のRAW現像も安心して行えるだろう。

DAIV KM-I7G7T

 

ケース底面には取り外しできるフィルターを設置。スリットに差し込む形状により、FXシリーズ以上に確実に固定できるようになった。フィルターは水洗いも可能だから、メンテナンス性に優れている。

DAIV KM-I7G7T

拡張性やインターフェースも充実

本体上部に電源ボタンやUSB端子等のインターフェースを配置。ケースがコンパクトになったことで、アクセスしやすくなった印象だ。カードリーダーなどとの接続を快適に行うことができる。

DAIV KM-I7G7T

 

「KM-I7G7T」では、USB3.1 (10Gbps) Type-C ×1、USB3.0 (5Gbps) Type-A ×2、ヘッドホン出力端子を搭載している。

DAIV KM-I7G7T
こちらがFXシリーズの上部インターフェース。搭載端子もほぼ同じだ。

 

KMシリーズはケース左側に3.5型の拡張ストレージベイを装備しているので、内蔵SSDなどの増設もしやすい。

DAIV KM-I7G7T

 

拡張性を最優先するならフルタワーのFXシリーズがベスト。フルタワーというのサイズを生かして、2つの拡張ストレージベイを備えている。

DAIV KM-I7G7T

 

ケース正面上部には指をかけられるくぼみが設けられ、持ち運びやすいデザインとなっている。背面にも工夫があるとさらに良かった。コンパクトになったことで、FXシリーズにあった下部のキャスターはKMシリーズでは採用されなかった。

DAIV KM-I7G7T

クリエイティブ作業でも使いやすい34型ウルトラワイドディスプレイ「iiyama ProLite XUB3493WQSU-5」

デスクトップPCには液晶モニターを自由に選べるメリットがある。「XUB3493WQSU-5」はUWQHD (3440×1440) 解像度パネルを搭載。広い視野角と色再現性に優れたIPS方式パネルの採用により、画像や映像を扱うクリエイティブ作業にも適している。

DAIV KM-I7G7T + iiyama ProLite XUB3493WQSU-5
価格はオープン。参考価格は55,990円 (税込)。

 

一般的な16:9のフルHD (1920 x 1080) ディスプレイと比較し、約2.4倍の圧倒的な解像度を持つ。

DAIV KM-I7G7T 主な仕様

OS Windows 11 Home 64ビット
CPU インテル Core Ultra 7 プロセッサー 265
GPU NVIDIA GeForce RTX 5070 Ti (ビデオメモリ 16GB)
メモリ 32GB (16GB×2 / デュアルチャンネル)
CPUクーラー 水冷CPUクーラー (240mmラジエーター)
ストレージ 2TB M.2 SSD (NVMe Gen4×4)
ディスプレイ端子 DisplayPort ×3、HDMI ×1 (最大 7680×4320、120Hz)
インターフェース背面 Thunderbolt 4 ×1 (Type-C×1、画面出力に対応)、USB3.0 (5Gbps) Type-A ×7
インターフェース上面 USB3.1 (10Gbps) Type-C ×1、USB3.0 (5Gbps) Type-A ×2
ネットワーク (有線LAN) 1 (2.5G BASE-T)
無線 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5 内藏
サイズ (幅×奥行×高さ) 約215×465×380mm (突起物を含む)
質量 約11.7kg
保証期間 3年間センドバック修理保証

※カスタマイズ可能

 

〈文〉稲葉利二