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駅にはドラマがあふれている! 鉄道写真コンテスト「TEKKEN!」8月の入選作品発表

TEKKEN!入選作品2025年8月

CAPAの鉄道写真コンテスト「TEKKEN!」2025年8月の入選作品発表! 今回のテーマは「駅の情景」。審査員・村上悠太先生の講評とともに紹介します。

今回のテーマ「駅の情景」

楽しい旅のスタートも、いつもの通勤通学も、鉄道と私たちの大きな接点となる駅にはドラマがあふれています。今回はいつも以上に皆さんの思いを感じる写真を多く寄せていただきました。やはり駅というのは皆さんにとっても、とても大きな存在なのでしょう。

〈審査員〉村上悠太

Railマイスター「一瞬の賑わい」大森 裕 (東京都杉並区)

Railマイスター「一瞬の賑わい」大森 裕
ソニー α7R IV FE 70-200mm F4 G OSS 絞りF4  1/10秒 ISO3200 (2023年12月12日 小湊鐵道 上総川間駅)

作者コメント
田んぼの中の静かな駅ですが、夕刻には帰宅を急ぐ学生さんで賑わいます。

村上悠太先生の講評
暗闇のシャドーと、学生さんが一堂に列車の方に向いているその光景が印象的です。列車の明かりが暗いホームを照らすだけでなく、ぬくもりをも届けてくれるドラマチックな写真。ほのかなライトアップも素敵です。

TEKKEN!賞品

入選「乗務員交代」柿崎弘志 (山形県酒田市)

入選「乗務員交代」柿崎弘志
富士フイルム X-H2 XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR 絞り優先オート F5.6 ISO12800 (2025年3月24日 JR羽越本線 酒田駅)

作者コメント
超高級列車四季島は、酒田駅で乗務員交代が行なわれます。地元を走ってくれてますが、乗れていません……。

村上悠太先生の講評
四季島独特のヘッドライトを生かしてインパクトを作っています。最上位のクルーズトレインのハンドルを握る乗務員さんたちの、緊張感を感じるシルエットに強く引かれました。

入選「増結シーン」森田 宏 (大阪府東大阪市)

入選「増結シーン」森田 宏
キヤノン EOS 7D EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM 絞りF5.6 1/15秒 ISO1250 WB:オート (2012年1月27日 近鉄大阪線 名張駅)

作者コメント
大阪方面に向かう特急の名張駅での増結シーン。駅員さんの真剣な眼差しにシャッターを押しました。

村上悠太先生の講評
乗務員さんのきりりと引き締まった後ろ姿に、作業に臨む使命のようなものを感じます。往年の近鉄特急カラーは重厚感があって、そうした要素もこの写真に対しプラスに作用しています。

入選「夢の跡」安保邦夫 (秋田県大館市)

入選「夢の跡」安保邦夫
ソニー α7R V Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS 絞りF8 1/320秒 ISO1600 WB : オート C-PLフィルター使用 (2025年6月7日 旧小坂製錬小坂線 茂内駅)

作者コメント
2009年に廃止となった小坂製錬小坂線の茂内駅です。ガラス越しの撮影になるのでPLフィルターで映り込みを調整しました。

村上悠太先生の講評
6月撮影とは思えない、清涼感にあふれた写真です。PLフィルターを全効かせにせず、適度な効き具合にした技術力が光ります。駅だと明確にわかるフレーミングと余韻が心地よいです。

入選「郷愁」西川誠一 (名古屋市天白区)

入選「郷愁」西川誠一
キヤノン EOS R6 Mark II RF24-105mm F4 L IS USM  絞りF 22 1/15秒 ISO100 (2023年4月28日 長良川鉄道 大矢駅)

作者コメント
普段は無人駅ですが、この日は、駅員さんの列車を見守る姿が見られました。

村上悠太先生の講評
ハイコントラストに仕上げることで、疾走感をより強く見る人に伝えています。これ以上のスローシャッターだと駅員さんがわかりづらくなるので、絶妙なブレ感です。

入選「あれ、来ない?」中本真也 (広島市中区)

入選「あれ、来ない?」中本真也
ソニー α7R IV FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS+1.4X テレコンバーターSEL14TC 絞りF10 1/80秒 ISO160 (2023年1月25日 広島電鉄宇品線 御幸橋停留場)

作者コメント
御幸橋停留所場の手前で折り返しのため尾灯を灯した列車。偶然にも列車待ちのお客さんの「あれ?」みたいな体勢を入れて撮ることができ、微笑ましい情景になりました。

村上悠太先生の講評
初見ではこの写真の違和感に気づけなかったのですが、中本さんのコメントを拝見して「あれ、ホントだ!」と思わず言葉が漏れました。珍しい大雪の中のユーモアあふれる光景です。

入選「ほのぼの」清水一吉 (神戸市北区)

入選「ほのぼの」清水一吉
キヤノン EOS 7D Mark II EF-S18-200mm F3.5-5.6 IS 絞りF11 1/125秒 ISO200 WB : 太陽光 (2014年5月4日 和歌山電鐵 伊太祈曽駅)

作者コメント
10年ほど前の写真ですが、このほのぼの感は今も変わってないと思います。

村上悠太先生の講評
いろいろと説明する必要のない、シンプルなロマンが詰まった写真です。最近はインパクトを重視しがちな世の中ですが、いつまでもこうしたやさしい情景を忘れたくないですね。

入選「春の旅路」おどみ岐諷 (徳島県藍住町)

入選「春の旅路」おどみ岐諷
オリンパス OM-D E-M1 Mark II M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO 絞りF8 1/800秒 ISO800 WB : オート (2023年3月30日 JR土讃線 大歩危駅)

作者コメント
桜に囲まれた大歩危駅に到着した特急列車。観光客が降り立ち、車掌さんに地域の見どころを聞いていました。

村上悠太先生の講評
ナチュラルな情景をそのままに撮影しているため、現場の雰囲気がゆっくりと伝わってくる写真です。きっと楽しみにしていた旅行なのでしょうか。そんなことをも想像させます。

入選「朝靄の夕張線」長井慎二 (札幌市東区)

入選「朝靄の夕張線」長井慎二
ニコン D810 AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 絞りF16 1/1000秒 +0.3補正 ISO800 WB : オート (2018年11月3日 旧JR石勝 (夕張)線 清水沢駅)

作者コメント
夕張線の廃線を前に訪ねた晩秋の清水沢駅。濃い朝靄の中、キハ40が現れた幻想的な瞬間を撮りました。

村上悠太先生の講評
秋の濃霧特有の冷気と湿度、キハ40が駆けた日々などを思わず連想しました。画面内で車両が大きいので、今の数カット前で、構図を右に振った写真も見てみたかったかなと思いました。

入選「麦秋」戸田智浩 (広島県福山市)

入選「麦秋」戸田智浩
キヤノン EOS R6 Mark II RF70-200mm F2.8 L IS USM 絞りF20 1/125秒 ISO400 (2024年5月26日 JR因美線 美作滝尾駅)

作者コメント
男はつらいよのロケ地のひとつ美作滝尾駅は、いまでも寅さんがベンチに座っているよう。初夏、東側に広がる畑では麦秋の風景が見られます。

村上悠太先生の講評
どの角度から撮影しても素晴らしい美作滝尾。アングルを下げただけでなく、一目で麦であることがわかるように、前ボケ効果に依存せず、しっかりと絞り込んだ点がポイントです。

村上悠太の “鉄” 視線「夕刻、正月の大阪駅にて」

年始の帰省で帰った関西。正月の大阪駅は、帰省客や年始に出かける人たちで混雑していました。久しぶりの再会、貴重な正月休み。私たちの楽しい時も、駅はいつ何時も表情を変えず、列車と乗客たちを出迎えます。

村上悠太の “鉄” 視線「夕刻、正月の大阪駅にて」
キヤノン EOS R6 Mark II RF35mm F1.8 MACRO IS STM 絞りF1.8 1/250秒 ISO200 WB : 太陽光 (2025年1月3日 JR大阪環状線 大阪駅)

鉄道写真好き集まれ〜「TEKKEN!」作品募集中

CAPA編集部では、鉄道写真コンテスト「TEKKEN!」を開催しています。毎月の募集テーマに沿って撮影した鉄道写真をどしどしご応募ください。毎月のRailマイスターには、サンディスクのメモリーカードをプレゼント!

募集中のテーマと締切

■10月「瞬間 (高速シャッター)」
締切 : 2025年8月31日 (日) 24:00
発表 : 2025年10月20日 (月)

■11月「望遠レンズ (100mm〜)」
締切 : 2025年9月30日 (火) 24:00
発表 : 2025年11月20日 (木)

応募要項

■審査員
村上悠太先生 (日本鉄道写真作家協会会員)

■今月のRailマイスター賞品
サンディスク Extreme PULS 64GB

■応募形態
WEB応募のみ。こちらの応募フォームからご応募ください。プリントでの応募は受け付けていません。

TEKKEN!のご応募はこちらから

■募集テーマ
毎月20日に翌々月の募集テーマをお知らせしますので、それに沿った内容の鉄道写真をご応募ください。
※テーマにそぐわない写真は審査対象外とします。
※撮影禁止場所や私有地などから撮影した作品は応募不可とします。

■応募点数
1人何点でも応募できます。ただし単写真のみ (組写真は不可)。

■二重応募について
ほかのコンテストなどで入選した作品 (結果発表されていない応募作品も含む) や類似カット、過去に印刷物や写真展 (グループ展を含む)、投稿系サイトなど公の場で発表された作品は二重応募とみなし失格とします。

■締切
毎月末日送信分まで。

■発表
締切日の翌々月20日、「CAPA CAMERA WEB」にて。
→ TEKKEN!入選作品