
「Japan Mobility Show 2025 (ジャパンモビリティショー)」が2025年10月29日から11月9日まで、東京ビッグサイトで開催されました。「東京モーターショー」から名称が変更になり、2度目の開催となった今回は101万人が来場。各メーカーの最新モデルからコンセプトモデル、そして自動車産業の枠を超えた「モビリティ」の最新技術が披露されました。
自動車メーカーだけでなく、IT、通信、スタートアップ企業なども加わり、過去最多522の企業・団体が参加。10年後のモビリティ生活を見て体験できる「Tokyo Future Tour 2035」も話題を呼びました。

そんな話題の「モビショー、行くっしょ!」ということで、10月24日に発売されたニコンZマウントのレンズ交換式デジタルシネマカメラ「ニコン ZR」をお借りして、東京ビッグサイトに向かいました。レンズは、レンズキットの「NIKKOR Z 24-70mm f/4 S」です。
液晶画面が大きい! そしてシンプルな軍艦部
使ってみて最初に思ったのは、「4.0型の液晶モニターが大きい!」こと。筆者の使っているiPhone14を横にして比べても高さは「ZR」のほうがあり、もはや背面液晶はスマートフォン並み。約307万ドットの高解像度と1000cd/m2の高輝度で、明るい場所でも非常に見やすくできています。

動画機らしいフラットな軍艦部の操作系は、いたってシンプル。ミラーレスカメラに慣れている筆者にとっては、ダイヤルがひとつもないことに戸惑いが隠せません (笑)。

シネマカメラでありながら静止画性能も高レベル

「ZR」は「Z6III」の静止画性能を継承しています。有効2450万画素の部分積層型フルサイズCMOSセンサーに、画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載。高度な被写体検出が可能となっており、人物 (顔、瞳、頭部、胴体)、犬、猫、鳥、飛行機、車、バイク、自転車、列車の9種類を検出。オートにしておけばカメラ側で画角内の被写体を自動で検出してピントを合わせてくれます。3D-トラッキングによる追従も可能で、静止画撮影にも十二分な性能です。大きな液晶画面を見ながらどんどん撮っていく感覚は、スマートフォンで撮る感覚に近いのかもしれません。

モビリティショーといえば、各ブースを彩るコンパニオンも撮りどころのひとつ。声をかけ撮影許可をいただいて撮影してみました。「ZR」は新しいプリセットとして、ユーザーセッティング「ポートレート」モードを搭載しています。ピクチャーコントロール「リッチトーンポートレート」と美肌効果により、人物の肌色を美しく仕上げてくれます。

シネマカメラなのだから動画撮影に挑戦
正直言って、筆者は動画に関してはほぼ未経験。『CAPA』本誌の表紙撮影風景動画を撮る程度の経験しかなく、編集はプロにお任せしています。それでもせっかく新発売の「ZR」をお借りしたのだから、動画撮影にチャンレンジしてみました。
動画撮影においても、やはりバリアングル式の4.0型液晶モニターは見やすい。いろいろなブースを回りながら静止画と動画の両方を撮っていましたが、さらに助かったのは、軍艦部の「PHOTO・VIDEO」モードスイッチで動画撮影と静止画撮影の切り替えができることと、動画と静止画でそれぞれ独立した設定を維持するようになっているので、いちいち設定を変える必要がなくスムーズに切り替えが行えたことです。これまでも動画撮影をやってみたいと思っていただけに、今回「ZR」を使ってみたことで、よりその意欲が高まりました。

この記事では詳しく触れていませんが、「ZR」は、ハイエンドのシネマカメラとして有名な「RED」のカラーサイエンスとワークフローを備えています。参考価格がボディ299,200円、「ZR 24-70 レンズキット」が374,000円 (いずれも税込) となっていて、これから本格的に動画を始めてみたい、さらに動画のレベルを上げていきたい人にとっては、コストパフォーマンスに優れたモデルなのではないでしょうか。