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キヤノンの写真・映像作家発掘オーディション「GRAPHGATE」第3回グランプリが決定

キヤノンマーケティングジャパンが、熱意ある新しい才能を見い出し応援するため2023年にスタートした「GRAPHGATE」。第3回GRAPHGATEグランプリ選考会が2025年11月29日、東京・品川のキヤノンホールSで開かれた。

第3回GRAPHGATEグランプリ選考会
第3回「GRAPHGATE」優秀賞受賞者 (前列) と選考委員 (後列)。前列中央がグランプリの奥田峻史さん。

GRAPHGATEとは?

「GRAPHGATE (グラフゲート)」は、作品づくりに強い意志を持つ、新しい可能性や才能と出会うことを目的とした写真・映像作家のオーディション。作品の表面的な美しさや表現技法だけでなく、強い意思や創作意欲を伝えるコミュニケーション力も重視する。グランプリは、三次選考を通過した優秀賞5名の中から公開選考会によって選ばれる。

選考委員 (敬称略)
天野太郎 (東京オペラシティアートギャラリー / チーフ・キュレーター)、小野泰洋 (自然番組プロデューサー / 元NHKエンタープライズ)、片岡英子 (『Newsweek日本版』フォトエディター)、齋藤精一 (パノラマティクス主)、藤森三奈 (編集者・チーフプロデューサー / 株式会社文藝春秋『Sports Graphic Number』)、キヤノンマーケティングジャパン株式会社

第3回グランプリは奥田峻史さんに決定

優秀賞5名がプレゼンテーションを行ない、グランプリは奥田峻史さんに決まった。奥田さんには1年後のキヤノンギャラリーSでの個展開催や、賞金100万円などの副賞が贈られる。「さまざまなメディウムの違い、特性を意識し、使い分けているのが印象的だった」と選考委員の天野太郎さんが指摘したように、写真と映像を併用した作品が目立った。

第3回GRAPHGATEグランプリ選考会
グランプリに選ばれた奥田峻史さんの代表カット。

 

奥田さんは映像制作の仕事の傍ら、動画・写真作品を制作する。最初に制作した作品は、街で会った人に思い出の曲を聴いてもらい、その表情を撮影。鑑賞後には、思い出したことや今の気持ちを問いかけた。「カメラを通して出会った人と、それぞれの身体を通し世界と関わる喜びを見つめていく」ことが制作の根幹にある。

個展では祖父と祖母の終末期を記録した作品と、新作を組み合わせる。「見る人がどう生きていくのかへの問いに思考を広げてもらえるようにしたい」。

第3回GRAPHGATEグランプリ選考会
奥田峻史さん。

 

キヤノンオープンギャラリーで2025年12月18日まで開催中の「GRAPHGATE展2025」では、優秀賞5名と佳作9名の作品を展示している。第4回の公募は2026年春に発表予定。

GRAPHGATE展2025

会期 2025年11月25日 (火) ~12月18日 (木)
会場 キヤノンオープンギャラリー1・2
住所 東京都港区港南2-16-6 キヤノンSタワー2F
時間 10:00〜17:30
休館日 日曜・祝日
入場料 無料
問い合わせ キヤノンギャラリー S (TEL 03-6719-9021)

展示作家

■優秀賞
大鐘愛子、大野咲子、奥田峻史、kokoro、水島貴大 (50音順・敬称略)

■佳作
阿部高嗣、小野澤 峻、スズキタイト、田中康晴、塚本大輝、土屋尚幸、中村光男、蓬台祐希、山野彰太 (50音順・敬称略)

 

 

〈文・写真〉市井康延