寒くて出かけるのがつらくなるこの季節。でも、早起きして身近なフィールドを歩くと、美しい輝きにあふれていることに気づくはず。朝日が差すと霜がキラキラ光り、小さな流れは水しぶきが凍り、ユニークな造形を見せる。冬にしか撮れない、美しい被写体をマクロレンズや望遠ズームレンズでクローズアップしてみよう。
最後は、氷全体をシャープに見せる被写界深度合成の方法を紹介する。

- 刻々と変化する霜の表情をマクロレンズで狙う
- 氷の造形美を切り取るには望遠ズームが有効
- 絞りとWBで氷の印象をコントロールする
- 被写界深度合成で氷全体をシャープに見せる
ピントをずらしながら撮った画像を画像編集ソフトで合成
硬質感のある氷はパンフォーカスで見せたいが、絞りをF16やF22に絞り込んでも被写界深度が足りず、部分的にボケてしまうことがある。そんなときはピント位置を変えて撮影した複数枚の写真を深度合成することで、全体にピントが合った写真に仕上げられる。
ピント位置を変えた7枚の画像を合成して全体にピントの合った1枚に仕上げる
超広角16mmで撮影。氷までの距離が近く、絞りF16でも後方が大きくボケてしまった。そこで、ニコンの「フォーカスシフト」機能を使って、ピント位置を後方へ移動させながら連写。撮影した7枚の画像を合成することで、画面全体にピントの合ったシャープな写真に仕上げた。


被写界深度合成した完成画像

うまく仕上げるためには素材となる写真の撮り方が大切
合成する写真を「Adobe Photoshop」で開き、自動整列、自動合成という手順で進めてゆく。作業自体は簡単だが、素材となる合成用の写真によってはうまく仕上がらないこともある。
ポイントは同じ構図で撮影するために三脚を使ってブレなく撮影すること。通常のピント位置にピントを合わせるのではなく、被写体の最も近い所にピントを合わせて、フォーカスシフト撮影を開始する。こうするとカメラが自動的にピント位置を後方へとずらしながら撮影してくれるため、手前から奥まで各部にピントの合った写真が揃うことになる。
深度合成すると外周に余白ができるため、最後は若干トリミングして仕上げることになる。このトリミング分を見越して、若干広めの構図で撮影することで狙い通りの構図に仕上げたい。
Photoshopで行なう被写界深度合成の流れ
① ファイルをレイヤーとして読み込む
「Adobe Photoshop」を起動。メニューバーから「ファイル」→「スクリプト」→「ファイルをレイヤーとして読み込み」を選び、深度合成する画像を選択する。


② レイヤーを整列させる
画面右にある7枚のレイヤーをSiftキーを押しながら選択。メニューバーから「編集」→「レイヤーを自動整列」を選択。表示されるポップアップウインドウから「自動設定」を選ぶ。


③ レイヤーを自動合成する
メニューバーから「編集」→「レイヤーを自動合成」を選択。表示されるポップアップウインドウから「画像をスタック」を選ぶ。


④ 周囲の余白をカットする
合成した画像の周囲にできた余白部分を切り抜いて仕上げる。

氷の落下に注意! 撮影は気温の低い午前中に
滝や渓流の撮影では、気温が上昇すると氷が解けて、突然、氷が落ちてくることがあるので注意が必要。写真中央の氷の塊は、上方から落ちてきたもの。私とカメラは避けられたが、置き去りにした三脚はヒビが入り、使用不能となった。
