寒くて出かけるのがつらくなるこの季節。でも、早起きして身近なフィールドを歩くと、美しい輝きにあふれていることに気づくはず。朝日が差すと霜がキラキラ光り、小さな流れは水しぶきが凍り、ユニークな造形を見せる。冬にしか撮れない、美しい被写体をマクロレンズや望遠ズームレンズでクローズアップしてみよう。
今回は、氷の造形美を引き出すためのポイントを紹介する。

- 刻々と変化する霜の表情をマクロレンズで狙う
- 氷の造形美を切り取るには望遠ズームが有効
- 絞りとWBで氷の印象をコントロールする
- 被写界深度合成で氷全体をシャープに見せる
落ち葉や雪を避けると繊細な氷の表情が撮れる
冷え込みが続くと渓流や滝の周囲にさまざまな氷の造形ができ上がる。一方、止水域である湖畔では穏やかな日が続くと氷が解けてしまうので、荒天の後が狙い目。冬型の気圧配置が強まって、北風が強く吹く日が数日続くと見事なしぶき氷が発達する。
最短撮影距離の短い望遠レンズやマクロレンズでクローズアップすると造形美を引き出せる。川沿いは足場が限られるので300mm程度の長めの望遠レンズがあると重宝する。面白い形の氷を見つけたら、落ち葉や雪などの要素を排除し、なるべく氷だけをフレーミングしよう。落ち葉は異質な存在であり、雪も白トビしやすいので要注意。

撮影ポジションが限定されがちな渓谷では、300mm前後の望遠レンズがあると氷の造形をアップで撮りやすい。最短撮影距離が短く、開放F値の明るい望遠ズームレンズがあれば、背景をぼかした表現も可能となる。70-200mm F2.8望遠ズーム+1.4倍テレコンも有効だ。
一日中光が当たらない所は氷が成長しやすく、ソフトな光により白トビや黒つぶれが起きづらい。透明な氷はソフトな光でもメリハリが感じられ、氷の繊細な造形を捉えるのに適している。
なお、気温が上がると氷は解け、大きな崩落も起こりえる。安全のためにも午前中の気温が低いうちに撮影するようにしたい。
渓流の凍ったしぶきをクローズアップ
氷柱や薄氷などさまざまな形状の氷が見られる渓流。鳥の爪のようなデコボコした氷を望遠280mmでアップで捉えた。川沿いの撮影ではポジションを自由に選べないことが多く、離れていてもアップにできる望遠レンズが使いやすい。



岩に付く氷の形の面白さに注目する
強い北風が数日続いた後の晴天の日、岩や木の枝、岸壁など、湖畔のあらゆるものが氷に覆われた。カモノハシのような岩の形も面白いが、岩から垂れ下がるように成長した氷を望遠レンズで切り取った。漏斗かワイングラスが連なっているように見えた。



葉が閉じ込められた雨氷をマクロで捉える
阿蘇山でミヤマキリシマの葉が雨氷に包まれた姿をマクロレンズでクローズアップした。氷のサイズは大きく、望遠ズームでも狙えそうだ。また、ひとつの氷をシャープに見せるためF11まで絞り込んだ。霜に比べて透明度の高い氷であり、枝や葉の姿がはっきりと見える。


