
フォトグラファー / 映像クリエイター・ROBIN FURUYAとして、数々のスチール、映像作品を手掛ける俳優・古屋呂敏さん。2026年1月期は連続ドラマ3本に出演し、うち1本に主演。また、主演映画も公開されるなど俳優業がノリにノっている。しかも、自身の出演作でキービジュアルの撮影や劇中写真撮影、カメラ監修も担当。演者とクリエイターの “二刀流” という稀有な経験を持つ古屋さんに、それぞれへの向き合い方を聞いた。
演じ分けに役立った「クリエイターと役者」の切り替え

── 2026年は1月から俳優業において凄まじいスタートダッシュを切られましたね。
正直に言うと「まだまだだな」という気持ちです。もちろん、こうして多くのオファーをいただき作品が重なるのは本当にありがたく、嬉しいことなのですが、一つひとつの作品に対して丁寧に、気合を入れて向き合いたいと思っています。
主演ドラマ『教えてください、藤縞さん!』(TOKYO MX / DMM TV) は2024年の冬に撮影したもので、それが巡り巡ってこのタイミングでのオンエアとなったんです。重なる時期があるものだと、不思議なご縁を感じますね。
── 複数の作品の撮影が重なる時期もあったかと思います。役の切り替えはどのようにされていたのでしょうか?
2025年の秋ごろからはかなり重なってきていましたね。基本的にはスパンと切り替えて臨めていたのですが、じつは1日だけ、多くの作業が重なって役の自分に追いつけず、セリフが出にくくなってしまった日もありました。そこは自分の経験不足だと痛感しています。
ただ、僕の中にはいい意味で普段から「クリエイターとして活動する日」と「役者として活動する日」という明確なメリハリがあり、そのスイッチの切り替えに近い感覚で、作品ごとの役も切り替えることができています。

── 多くの役柄でオファーが絶えませんが、古屋さんご自身は、どのような期待を込めて役を任されていると感じていますか?
最近は「クズ男」の役が続いたかと思えば、今回の1月期のようにイケメン銀行員や優しい人柄の役をいただいたりと、幅広く演じさせていただいています。プロデューサーや監督から共通して言われるのは、「艶っぽさ」や「大人の色気」を出してほしいということです。自分自身では色気があるとは思っていないのですが、年齢に見合った役をいただけるのは嬉しいですね。上の世代の役者さんの表現を勉強し、自分なりの表現ができるよう研究しています。
── 1月23日には初主演映画『愛のごとく』も公開されました。映画とドラマの現場を経験されて、古屋さんの普段の動画クリエイティブはどちらに近いと感じますか?
面白い質問ですね。僕自身のクリエイティブは、じつはドラマの方に近いと感じます。理由は、僕のルーツであるファッション映像の世界はカット割りが非常に多く、5秒から10秒の中にいかに情報を詰め込んで伝えるかが重要だからです。
ドラマは視聴者を飽きさせないためにカットを細かく割る傾向があるので、親和性が高いと感じます。一方で、映画は現場の空気感や「間」、リアルな感情の揺れをじっくり切り取る世界。この物づくりの違いを肌で感じることは、クリエイターとしても非常に良い勉強になります。
モノづくりの根幹に関わりたいと常に思っています

── 俳優として出演する一方で、キービジュアル撮影やカメラ監修など、裏方としても作品に深く携わっています。どのような姿勢で臨まれていますか?
出演しながら写真を撮らせていただけるのは、フォトグラファーとして最高に幸せなことです。ドラマ『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』(読売テレビ) のキービジュアル撮影では、フォトグラファーとしてアートディレクターやプロデューサーと打ち合わせを重ねました。モノづくりの根幹に関わりたいと常に思っているので、ロケハンにも参加させてもらって、作品の世界観に合うロケーションや構図を決めていきました。
僕の普段のクリエイター業はクライアントワークが中心で、クライアント (今回で言えばテレビ局) が求める「最適解」を追い求めることにやりがいを感じるので、作品の「顔」となるビジュアルを任せてもらえるのは本当に光栄でした。

撮影当日は、俳優仲間であるメインの2人が驚くほど、ガチのフォトグラファーモードで臨みました。パソコンを繋いでティザー撮影を行いながら、顔の向きや顎の角度まで細かくディレクションしたので、彼らも「こんなに本格的なんだ!」とびっくりしていましたね (笑)。共演者としての信頼関係があるからこそ、引き出せる表情があったと思います。
── ドラマ『ぜんぶ、あなたのためだから』(テレビ朝日) では、カメラ監修や技術指導も担当されていますね。具体的にどのようなことをされたのでしょうか?
カメラマン役の七五三掛龍也くんに、カメラの構え方からシャッターを切るタイミング、被写体への声のかけ方まで指導しました。カメラを触り慣れていないと、どうしても「ただボタンを押しているだけ」に見えてしまう。そうではなく、ファインダーを覗いて撮るのと、背面モニターを見ながら撮ることの違いや、空気感を確認しながらシャッターを切る “間” のつくり方、ズームリングをカッコ良く回す動作など、リアリティを追求するための小技も含めて伝えました。

── ドラマで使用される写真の撮影もされていますよね。
本当に忙しかったですね (笑)。僕は新郎・和臣の友人・木村直人役で出演しているのですが、午前中はカメラマンとして結婚式のシーンの現場で写真を撮って、その後急いで着替えてセットして、演者として現場に入るなんていう日も結構ありました。スタッフも面白がってくれて「今日お前どっちやねん」みたいな。僕が役者をしている瞬間と、カメラマンをしている瞬間の顔が全然違うので面白いらしいです。
── 写真繋がりだと、ニコンが運営するフォトライフスタイルWEBマガジン「NICO STOP」初のオリジナルドラマ『ひかりと、まばたき。』(全3話 / YouTubeにて公開中) でも主演を務められています。
物語は、一人の男性がカメラと出会い、何を感じるかを描く温かいストーリーです。廃校が舞台になっていて、実際に使われなくなる小学校で撮影し、在校生たちもエキストラとして参加してくれました。僕は元新聞部員という設定の役で、「廃校になるから久しぶりに写真を撮りに行こう」と、同級生と共に再びカメラと向き合っていく様子が描かれます。劇中で僕が手にするのは「Z8」と「Zf」です。
この作品は全編「ZR」で撮影されているのですが、RED社のカラーサイエンスが採用されたシネマチックな色味が本当にきれいで伸びもあって、モニター越しに見る雲の階調には驚かされました。
「自分はやれると思っていない」ことが強み

── いよいよ4月末からは古屋さん初の舞台『春琴抄』への出演も控えています。
映像作品への出演を重ねていくにつれて、やはりどこかで舞台に挑戦したいという思いがありました。生の演技を見てもらうことが、役者の表現としてどういうものなのか、すごく知りたくて。
今はまだ稽古にも入っていないので、怖さ半分、ドキドキ半分ですね。正直、最初からうまくできるとは思っていません。でも、その「自分はやれると思っていない」ことが強みだとも感じています。自分がどこまで高みにいけるか、天井を高く設定して、稽古で自分を追い込んでいきたいです。発声から動きまで映像とは全く異なりますが、新たな自分を見つけられるんじゃないかと楽しみにしています。
── 多忙な日々が続きますが、今後の展望をお聞かせください。
俳優としてもクリエイターとしても、まだ満足はしていません。もっといろいろな景色を見てみたい。今の環境に甘んじることなく、さらに頑張っていきたいと思っています。
プロフィール
古屋呂敏 (ふるや ろびん)
俳優・フォトグラファー。1990年、京都府生まれ。滋賀県 / ハワイ育ち。カメラ歴は8年。ニコン「Zf」を愛用。父はハワイ島出身の日系アメリカ人、母は日本人。俳優のみならず、フォトグラファー / 映像クリエイター ROBIN FURUYAとしても活動。ハイブランドの映像制作も手がける。2022年には初の写真展「reflection (リフレクション)」、2023年9月には第2回写真展「Love Wind」を開催。2025年6月には写真集「MY FOCAL LENGTH」(ミツバチワークス) を上梓。
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出演情報
- ドラマ『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』
読売テレビ 月曜 深夜1時29分~ - ドラマ『ぜんぶ、あなたのためだから』
テレビ朝日 土曜 23時~ - ドラマ『教えてください、藤縞さん!』
TOKYO MX / DMM TV 金曜 23時35分~ - NICO STOPオリジナルドラマ『ひかりと、まばたき。』
NICO STOP公式YouTubeチャンネル (全3話) - 映画『愛のごとく』
全国順次公開 - 舞台『春琴抄』
新国立劇場 小劇場 2026年4月29日~5月6日
https://www.shunkinsyo.com/
※放送時間は変更になる可能性があります。