コスプレイヤー、グラビアタレントとして活躍しながら、超難関の薬剤師国家試験に見事合格した三橋くん。そんな彼女が満を持して発売する1st写真集のテーマは、なんと「無加工」。AIグラビアや緻密なレタッチが当たり前の現代において、あえて「生の人間」の質感にこだわったという本作への思い、そして壮絶な受験勉強との両立について、たっぷりお聞きしました。

終わるまで寝ない! 写真集のロケ中も勉強
── 薬剤師国家試験、合格おめでとうございます!
ありがとうございます! 本当に良かったです。昨日 (取材は3月下旬)、合格通知が郵送で届きましてすごくホッとしました。
── 薬学部6年生になってからの勉強は、相当ハードだったと伺いました。仕事との両立は大変でしたよね。
そうですね。薬学部の学生って、だいたい6年生になるとバイトも辞めて勉強に専念する人が多いんです。でも私の場合は、国家試験の10日前くらいまで仕事が入っていて (笑)。「今日はやる気が出ないから勉強を休もう」なんて日は一日も作れない状況に自分を追い込んでいました。
仕事のスケジュールは、ありがたいことに日程をまとめるように管理してもらっていたので、一日休みの日は15〜16時間勉強する、という生活を2か月くらい続けていましたね。勉強のために時間を削るとしたら、プライベートと睡眠時間しかなくて。6時間だけ寝て、あとはずっと勉強という感じでした。私はスケジュールをきっちり決めて進めるのが好きなタイプなので、9つある単元ごとに「今日はここまでやる」と決めたら、終わるまで絶対に寝ない! というこだわりで乗り切りました。
── ということは、グアムでの写真集撮影中も受験勉強だったんですね。
正直、グアムロケの思い出の半分は「勉強」です (笑)。これでもかというくらいデカいキャリーケースに参考書を詰め込んで行って。行きの飛行機も、帰りの飛行機も、撮影が終わった後のホテルでも、ずっと缶詰で勉強していました。スタッフさんが「夜ご飯、食べに行こう」というときも、私は一人でホテルの部屋で参考書を開いてました。

「粗探しをすればするほど出てくる」写真集です (笑)
── そんな猛勉強の最中に撮影された1st写真集ですが、テーマが「無加工 (ノーレタッチ)」というのは驚きました。このアイデアはどういった経緯で生まれたのでしょうか。
1st写真集なので、何か変わったことがしたいなという思いがずっと自分の中にあったんです。打ち合わせでは「ショートの私のイメージと違うロングのウィッグをつける」とか「撮影の途中で髪を切っちゃう」とか、いろいろな案が出たんですけど、その中の一つが「無加工」でした。
今の時代、自由にやらせてくれる出版社さんは少ないと思うんですけど、今の担当さんが「面白いからやってみよう」と乗ってくださって。それでタイトルも『no lies』に決まりました。本当に一切レタッチしていないんです。
── 最近はAIグラビアも登場したり、画像のレタッチは「普通」になっていますよね。
そうなんです。コスプレもグラビアも、基本的にはレタッチありき。それが悪いことではなくて、キャラに近づけたり、よりきれいに見せたりするための素晴らしい技術だと思います。でも、だからこそ「生の人間のグラビアにしか出せない良さ」があるんじゃないかと思って。否定ではなく、対比として「生の質感」を見てほしくて提案しました。

── 「無加工」でいくと決めたとき、怖さはなかったですか?
もちろんありました! 撮影までは肌管理もボディメイクも、めちゃくちゃ気を使いましたし。ニキビ一つ、傷一つ消せないわけですから。実際に校正のデータを確認したときも、普通なら消すはずのお尻の座り跡とか、衣装の締め付け跡とかも全部残っているんです (笑)。
── それはかなりリアルですね。
本当に「粗探しをすればするほど出てくる」写真集になっています (笑)。中学生のときにムカデ競争でコケた傷跡とか、BCGの跡とかもそのまま。でも、それが逆にすごくリアルで。質感のレタッチもしていないので、紙に印刷されたときの肌の質感は、きっとすごいものになるんじゃないかというワクワク感もありました。
撮影現場でのメイクや衣装の直しは普段の3倍!
── 現場でのカメラマンさんのプレッシャーも相当なものだったのではないでしょうか。
本当にそうだと思います! 高橋慶佑さんに撮っていただいたんですけど、現場では何度も「これ、本当に消さないんだよね?」って確認されました (笑)。
普段のグラビアは、ある程度流れの中で撮っていって、最終的にいちばん良いカットを選ぶことも多いと思うんですけど、今回はそうはいかなくて。後から直せない分、光の入り方、影の出方、見えちゃいけないところが見えないギリギリの体の角度を、ミリ単位でめちゃくちゃ細かくチェックしました。「こういうカットが欲しいから、こう撮る」と決めて、納得がいくまで何カットも撮影していく。その緊張感はすごかったですね。

── メイクや衣装も、普段以上に気を使われたのでは?
メイクさんはいつも以上に「隠す」作業が大変だったと思いますし、スタイリストさんも大変だったはずです。例えば、水着がちょっとズレていたとしても、普通なら「後で消せるからこのまま行こう」となる場面でも、今回は絶対にNG。だから撮影中の直しの回数は、体感で普段の3倍くらいありました (笑)。でも、そのおかげで一枚一枚のカットに全員の魂がこもっている感じがします。
── 表紙にも、ある特別なこだわりがあるそうですね。
はい! 表紙はかなり「決め打ち」で撮りました。普段、私がコミケとかで創作するフォトブックは撮った中から良いものを選ぶことが多いんですけど、今回は「こういうカットを表紙にしたい」という明確なイメージがあって。
実は、帯を外した時にだけわかる「仕掛け」があるんです。詳しく言えないんですけど、「うっかり見えちゃいました感」というか (笑)。帯がある状態では隠れているものが、外すと「あ、これ本当に無加工なんだ」って納得してもらえるような、ドキドキする仕掛けになっています。光の角度を何パターンも変えて、100枚以上撮った中から選んだこだわりの一枚です。

生身の私だからこそ出せるものを表現したい
── 三橋くんはこれまでもコミケなどでセルフプロデュースのフォトブックを制作されていますよね。今回のような商業写真集との違いは感じましたか?
私が作るフォトブックは、創作コスプレや、昨年の冬コミでは「新婚生活」だったりと、特定のテーマを決めて作り込むことが多いんです。でも今回は純粋なグラビアで、テーマが「自分自身」。最大限に自分を出すという点では全く違いました。
ただ、モノづくりの工程としては通じる部分もあって。自分で構成を考えたり、仕掛けを提案したりするのは、これまでの経験が生かせたかなと思います。でもさすがに、自分で作るときもレタッチを完全にすっ飛ばしたことはなかったので (笑)、作る側としては楽だけど、撮られる側としてはこんなに大変なんだ! という発見がありました。

── 本当にこだわりが詰まった一冊になりましたね。最後にファンの方へメッセージをお願いします。
今回、念願のファースト写真集を出させていただくことになりました。この数年間のグラビア活動の集大成であり、薬剤師試験という大きな壁に挑みながら作った、私にとって本当に濃い一冊です。
「無加工」という挑戦を通して、「生身の私だからこそ出せるもの」すべてを詰め込みました。ぜひ、紙の質感を楽しみながら、じっくりと隅々まで見ていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!

4〜5年前から「ニコン Z5」を愛用していて、友人のコスプレイヤーや風景、大好きなディズニーのキャラクターなどを撮影しているという三橋くん。基本的に女性を撮ることが多いそうで、SNSにアップするというよりは、本人にあげることが多いとか。「写真の楽しみは撮ること」と語る三橋くん。次は彼女の撮った写真を見てみたいですね。
三橋くん1st写真集『no lies』
体裁 A4変形判 96ページ
価格 3,850円 (税込)
発売日 2026年5月15日
発行 トランスワールドジャパン
https://amzn.to/4smy3T8
- 三橋くん (みつはしくん)
- 2001年11月12日生まれ。神奈川県出身、血液型O型。身長162cm、B96、W58、H86。趣味はFPSゲーム、コスプレ。特技は、戦闘機のF-1からF-35までの愛称を全部言えること。
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