現在使用している「キヤノン EOS M3」ボディに、新たに購入した広角ズーム『EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM』を装着。どちらも小型設計の製品で、組み合わせた際の外観バランスも良好。
鏡筒が最も伸びる11mm設定時で、専用フードを装着した状態。この画像だけ見ると「結構長くなるなぁ」という印象。だけど、APS-C一眼レフ用「EF-S 10-18mmF4.5-5.6 IS STM」本体の “プラス10mmくらい” の長さ(およそ82mm)である。
こちらは収納状態(沈胴&フード逆付け)。フロントレンズキャップを含め、およそ65mm。
当ブログでも紹介した、昨年の秋に衝動買いした「キヤノン EOS M3」。その際に一緒に購入したレンズは、単焦点パンケーキレンズの「EF-M 22mmF2 STM」。…だが、実はその時から “欲しい” と思っていたレンズが別にあった。それが今回紹介する『EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM』である。
『EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM』は、APS-CサイズのミラーレスEOS Mシリーズ用に開発された、沈胴機構を採用するコンパクトな広角ズームレンズである。そして、レンズ内手ブレ補正機構「IS」も搭載するので、気軽なスナップや歩きながらの動画撮影などでも、ブレを抑えた撮影を楽しむことができる。
また、実売価格が “3万円台” と安いのも、EF-M 11-22mmの魅力のひとつである。そう、各社の広角ズームって、どれも結構高価だからねぇ(ごく一部の製品を除いて)。
自分は、APS-Cサイズ一眼レフ用の広角ズーム「EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM」も使用しているが、EF-M 11-22mmはこれよりもコンパクトで軽量な製品である。全長は10mm以上短く、重さは20g軽い。まあ、このあたりは一眼レフ用とミラーレス用の違いもあるから、単純には比較できないけど。
だが、10-18mmと11-22mmの “焦点距離の違い” は、とても興味深い。両レンズがカバーする焦点距離範囲を、35ミリ判フルサイズに換算してみよう。EF-S 10-18mmは「約16-29mm相当」に、EF-M 11-22mmは「約18-35mm相当」になる。当然、広角端はEF-S 10-18mmの方が有利である。16mm相当と18mm相当の画角差はバカにならないからねぇ。
だけど、望遠端の29mm相当と35mm相当の差も意外と大きい。言うなれば、28mmと35mmを比べるようなモノだから。その画角差や描写の違いは “16mmと18mmの違い” よりもイメージしやすい。28mmだとまだ広角的な使い方になるけど、35mmだと標準的な使い方もできそう…。そんな違いを感じるんだよね。
なお、このEF-M 11-22mm、自分は発売された際(2013年7月)に、新製品レビューで実写したことがある。その際に「APS-Cサイズ用の広角ズームとしては小型だけど、描写は予想以上に安定してるなぁ」と感心したのを覚えている。そんな好印象もあったので「EOS Mシリーズを使うなら、ぜひ11-22mmも!」と思い続けていたのである。
11mm(フルサイズ18mm相当)
温室内の広々とした空間を「18mm相当」の超広角域で写し込む。F8まで絞った撮影で、画面周辺部まで乱れの少ない安定した描写が得られた。
◆キヤノン EOS M3 EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM(11mmで撮影) 絞り優先オート F8 1/250秒 WB:オート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
22mm(フルサイズ35mm相当)
最短撮影距離は0.15m。準標準とも言える「35mm相当」の画角で接近すれば、小さな被写体も結構大きめに写すことができる。
◆キヤノン EOS M3 EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM(22mmで撮影) 絞り優先オート F8 1/250秒 WB:オート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
自分は、標準ズームを選ぶ際に “広角端が24mm相当までカバーしている” 点を重視している。そこが28mm相当までだと、思うようなワイド感(画角や遠近描写)が得られない事が多いからである。
だが、広大な風景や建築物の内外での撮影では、標準ズームの広角端程度の画角では満足できず、もっと広い範囲をダイナミックに写し込める広角ズームが欲しくなる。24mm相当と “20mm相当以下の超広角域” では、その画角や空間表現が大きく変わってくるからね。
今回のブログでは、主に東京郊外の動物園で撮影した “春の景色” を選んで掲載している。よく晴れて青空と新緑が美しい条件だったこともあり、広角ズームによって得られる “開放的な雰囲気” が実に心地良かった。
AF作動やレリーズ後の動作に “もったり” した感じがあり、いまいちリズミカルに撮れない…。そんなEOS M3ボディに不満もあるが、今回購入した「EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM」と組み合わせることで、撮る楽しさが大幅にアップ! ここではカメラを地面近くまで下げて、小さなタンポポの花を狙ってみた。
マクロレンズではないので、小さなタンポポをアップで捉えるのは無理。だが、広い画角を利用すれば、小さな被写体に接近しながら、周囲の風景もしっかり写し込める。
◆キヤノン EOS M3 EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM(14mmで撮影) 絞り優先オート F8 1/320秒 +0.3補正 WB:オート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
雲ひとつない青空が広がり、そこに芽吹いた新緑や春の花の色が映える…。そんな開放的で気持ちの良い風景を、超広角の画角でストレートに捉えてみた。
◆キヤノン EOS M3 EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM(11mmで撮影) 絞り優先オート F11 1/100秒 −0.3補正 WB:オート ISO100 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
動物園での撮影の後は、自宅近くの小川沿いの遊歩道に移動。そして、満開を迎えた桜の木の下で、その桜の様子と周囲の風景を、広角端でワイドに写し込んだ。
◆キヤノン EOS M3 EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM(11mmで撮影) 絞り優先オート F8 1/60秒 WB:太陽光 ISO125 4000×6000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
春の夕日に照らされる、満開の桜と、川沿いの菜の花。花自体も美しいが、この時季特有の “軟らかい光” が心に染みる。
◆キヤノン EOS M3 EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM(13mmで撮影) 絞り優先オート F8 1/60秒 WB:オート ISO160 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)