前玉が奥まったスタイルは、他の50~60ミリクラスのマクロレンズに共通する。しかし、その重み&重厚感は、他の製品とは別次元! そして、描写性能の優秀さも別次元(ちょっと言いすぎ?)
少し前になるけど、CAPAの仕事で新しいマクロレンズ2本を使った。コシナが製造した「カールツァイス マクロプラナーT*」の称号を与えられた高品位&高性能な製品である。焦点距離は50ミリと100ミリで、マウントはニコン用の「ZF」。それぞれ、35ミリ判カメラだと「標準マクロ」と「中望遠マクロ」に相当し、APS-Cサイズだと「中望遠マクロ」と「望遠マクロ」に相当する。でもって、どちらの製品も開放F値が「2」と超明るいですぜっ!!
50ミリと100ミリ、どちらの“F2マクロ”もその明るさの恩恵が実感できるし、実写性能もかなり優秀。フォーカスが合った部分はビシッとシャープで、アウトフォーカス部は自然なボケが得られた。何ちゅーか“被写体の立体感”や“空間の奥行き”がうまく表現される感じなんだよね。ちょっと抽象的な表現だけどサ。
この2本、オールメタル(本体)の重厚な作りで、手にした時のズシッとした感覚は、現在の他メーカーの製品(開放F値が明るくて高性能な製品も含む)にはないもの。特に『マクロプラナーT*50ミリF2 ZF』の重みは別格! さほど大柄でもないし、レンズ前玉は奥まってるし…それなのに、何でこんなにズッシリくるのさぁ!?(510㌘也) いや、別に憤慨してるんじゃないよ、誉め言葉だからさ(笑)。
でも、その“小振りで重厚なレンズ”が、妙にボディにマッチするんだよね。でもって、画角も含めた使い勝手や、携行性などを考えると「50ミリの方がオススメかな~」って感じた。希望小売価格11万2000円(税別)という、けっこう高価な製品だけど、その作りや描写性能を考えると、ボクは「そう高くはない」と思うよ。…ま、実際にはなかなか買えないけどネ(苦笑)。
クサフヨウ(アオイ科)の赤い花を、茎や葉の一部を絡めながらクローズアップ。絞りは開放のF2。ピントが合った部分のシャープさと、ボケた部分の自然な描写が見事! もちろん、ピント合わせはシビアになるが…。 ◆ニコンD200 マクロプラナーT*50ミリF2 ZF Aモード f2 1/1000秒 +0.3補正 WB:晴天 ISO50 JPEG/FINE
クサフヨウの花を撮っていたら、その後ろの茂みにマダラ模様の子ニャンコちゃん。ちょっと、やさぐれた感じがまたキュート(笑)。50ミリをAPS-Cサイズのカメラで使うと、75ミリ相当(35ミリ判換算)の中望遠の画角になる。こういったスナップ的な撮影に適した画角なのだなー。 ◆ニコンD200 マクロプラナーT*50ミリF2 ZF Aモード f2.8 1/200秒 +0.3補正 WB:晴天 ISO50 JPEG/FINE