ライカカメラは、ドイツ・ウェッツラーにある本社「ライツパーク」に新たな複合施設をオープンした。拡張されたエリアは、ホテルやオフィスビルなど4施設で構成されている。
拡張された新エリアのひとつは、129室の客室を有する「arcona LIVING ERNST LEITZ HOTEL」。内装や空間が写真のさまざまな要素をコンセプトにデザインされており、館内には60人以上の写真家が撮影した250点以上の作品が展示されている。「ライカ スイート」「ザガート スイート」といったコンセプチュアルな部屋もあり、ファンなら一度は泊まってみたいと思うだろう。
ホテルに隣接しているのは、ライカミュージアムとミュージアムショップ、ライカアーカイブ、ライカアカデミー、ライカストアが入った新しいライカビル。ライカミュージアムでは今回の拡張を記念して、2014年に開催されたライカカメラ誕生100周年記念写真展「Eyes wide open! 100 years of Leica photography」を、2018年10月末まで再び開催している。ライカを愛用する著名な写真家の作品とともに、35mmカメラ誕生から100年の歴史を物語る展示品を一堂に集めたものだ。ライカミュージアムはライツパークで重要な役割を果たす施設のひとつ。今後、ライカの歴史すべてを網羅した展示を充実させる予定となっている。
3つ目の建物は、カウフマン社主が2008年に設立したエルンスト・ライツ・ウェッツラー社(旧 CWソンダーオプティック社)の新本社。シネレンズなどの開発が行われている。
4つ目の建物は、地元企業に新拠点を提供するオフィスビル。1階には「ライカ Watch」の製造や販売を行うエルンスト・ライツ・ヴェルクシュタッテンが入居し、オフィスに加えて組立工房、コンサルティングスタジオ、ストアなども併設されている。
拡張エリアのオープンに合わせて、ライツパーク内ライカストアではレイ・バービーさん、ティン・アッケさん、マテュー・ビィトゥンさんの写真展を開催中。さらに屋外エリアでは、ミヒャエル・アゲルさんの作品を中心とした「ライツパーク」の着工から竣工までの軌跡を振り返ることができる写真展が開催されている。
©Michael Agel Leitz Park 2013
拡張エリアのオープニングセレモニーは、ヘッセン州科学芸術大臣のボリス・ラインさん、ウェッツラー上級市長のマンフレート・ヴァーグナーさんなど約1,000人の来賓が出席して行われた。ライカカメラ社主であるアンドレアス・カウフマンさんは「新しいライツパークは光学産業の代表的な中心地のひとつとなる複合施設で、研究、芸術、文化の各施設が集結し、世界中の写真愛好家を魅了する場所となります」と述べている。
〈文〉柴田 誠