「Sony World Photography Awards(ソニー ワールド フォトグラフィー アワード)2018」日本部門賞表彰式が2018年7月1日(日)、東京・GINZA SIXで開かれた。本選で選ばれた日本からの上位作品を、改めて日本で審査し、3点を顕彰するものだ。
▲左からソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社マーケティング部門・澤村宣亮部門長、日本部門1位の鈴木悠介さん、3位の中澤隆さん、審査員のハービー・山口さん。
■日本部門賞 1位『物語る』鈴木悠介さん
1位の鈴木悠介さんは自然光を取り入れ、その場の雰囲気を重視したポートレート撮影を中心に活動するフリーランスフォトグラファー。受賞作『物語る』は撮影依頼を受けて撮った中でのもの。「窓から差し込む夕刻の光と、店内のタングステン光が良い雰囲気を醸し出していた」とハービーさん。
■日本部門賞 2位『Dondo-Yaki, Tokyo Japan 2017』鈴木淳也さん
2位の鈴木淳也さん(表彰式は欠席)『Dondo-Yaki, Tokyo Japan 2017』は多摩川で催されたどんど焼き会場で撮影したものだ。紛争地を思わせるイメージと、手前に人を入れたことで「緊張感とインパクトが生まれた。ただの記録写真に終わらず、見る人の想像を刺激する写真になっている」とハービーさんは解説した。
■日本部門賞 3位「赤富士上の月」中澤隆さん
3位の中澤さんはTakashiの名で写真家活動を行なう。富士山を被写体に、海外へ向けて発信する。受賞作『赤富士上の月』は富士山のビュースポットの一つ、猪之頭林道から捉えた。
『赤富士上の月』は山頂部に満月が重なるパール富士を狙ったが、月が雲に隠された。中澤さんは経験値から月が見えるであろう位置へと林道を走った。「作者の知識と運、そして撮りたいDESIRE(欲求)が合わさってこそ、良い1枚が生まれる。その欲望の強さは、ほかの要素を凌いで力のある写真を生むことがある」とハービーさんは講評で話した。
「ソニー ワールド フォトグラフィー アワード」は、World Photography Organisationが主催し、ソニーがスポンサーとして支援しているフォトコンテスト。ソニーが11年前、カメラ事業に参入したときに創設された。世界最大規模のコンペに成長したが、日本からの応募数はやや低調だ。第12回の作品募集は一般部門とユース部門が2019年1月4日(金)、プロフェッショナル部門は2019年1月11日(金)、学生部門は2018年11月30日(金)締切となっている。
■ソニー ワールド フォトグラフィー アワード
https://www.worldphoto.org/ja
〈文〉市井康延