キヤノンが、1.2億画素の超高解像度CMOSセンサー「120MXSM」を2018年7月下旬より発売する。産業用カメラ向けに出荷検査基準をより高めたモノクロ対応のセンサーだ。
1.2億画素CMOSセンサーは、フルHD（1920×1080画素）の約60倍にあたる解像度。センサーの撮像画面サイズは約29.2×20.2mm（APS-Hサイズ）。多数の画素から信号を高速で読み出す並列信号処理技術により、最高速度11.3Gbpsで1秒間に最高約9.4コマのスピードで出力できる高速読み出しが可能。画像のトリミングや電子ズームを行っても、高精細で鮮明な画像が得られる。さらに、高精細画像の連続撮影や、動体撮影にも対応可能だ。
4K・8K映像技術の発展により、FPD（フラット・パネル・ディスプレイ）も高精細化している。その検査を行う装置に採用されるCMOSセンサーにも、高い解像度が求められるようになってきた。「120MXSM」は、高精細化しているFPDの検査を行うパネルメーカーや、検査用カメラを設計・製造するメーカーのニーズに応える形で発売されるもの。出荷時の検査基準を引き上げたことで、多様な欠陥を高い水準で見つけ出すことが可能になった。今後は、大型有機ELパネルや8Kパネルなど、次世代の超高精細パネル検査での活用が見込まれる。
なお、キヤノンでは、1.2億画素CMOSセンサーのラインアップにカラー対応の「120MXSC」も備えている。こちらは、検査用途以外に映像制作やデジタルアーカイブ、特殊監視などの用途で活用することが可能。