富士フイルムは、大口径望遠単焦点レンズ「フジノンレンズ XF200mmF2 R LM OIS WR」を新たにレンズのラインナップに追加。主レンズの焦点距離を1.4倍に拡大するテレコンバーター「フジノンテレコンバーター XF1.4X TC F2 WR」をセットにして、2018年10月下旬より発売する。希望小売価格は838,500円(税別)。
35mm判換算で305mm相当となる「フジノンレンズ XF200mmF2 R LM OIS WR」は、放送用のFUJINONレンズで培った光学設計技術やミクロン単位の精度でレンズ面を加工する生産技術などを活かし、開放絞りから高い解像力を発揮する大口径の望遠単焦点レンズ。
0.1μm以下の精度で加工した大口径レンズを使用しており、蛍石レンズの性能に匹敵する大口径スーパーEDレンズ1枚と大口径EDレンズ2枚を含む14群19枚構成で、色収差を極限まで抑制し、高い解像力を実現する。
発表会で「XF200mmF2 R LM OIS WR」の前玉を披露する富士フイルム株式会社 光学・電子映像事業部 事業部長の飯田年久さん。
放送用レンズの前玉。その精度は東京ドームに髪の毛が落ちているのを許さないレベルのものだ。
レンズ鏡筒にはマグネシウム合金を使用し、軽量かつ堅牢性に優れたボディを実現。鏡筒の17か所にシーリングを施し、防塵・防滴・−10℃の耐低温構造も採用する。また、手ブレ補正は5段分の性能を備え、流し撮り時や三脚固定時などの撮影状態を認識して、自動で最適な制御を行う。
鏡筒はマットシルバー塗装が施されている。屋外での温度上昇を抑える対策のためで、ブラック塗装よりも20℃程度温度上昇を抑えることができるという。白色系のレンズはXレンズで初めてとなる。
専用設計のテレコンバーター「XF1.4X TC F2 WR」と組み合わせることで、焦点距離280mm(35mm判換算 427mm相当)の超望遠域をカバーする。
「XF200mmF2 R LM OIS WR」にテレコンバーター「XF1.4X TC F2 WR」を装着した状態。
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あらかじめ設定した位置にピントを瞬時に移動できるフォーカスプリセット機能を新たに搭載。狙った被写体へのピントを再調整することなく、快適に撮影することができる。
レンズの駆動範囲を制限するフォーカスリミッターを搭載。撮影距離範囲切り換えスイッチでフォーカスリミッターを作動させ、5m以上離れた被写体を撮影する時にレンズの駆動時間を短くすることができる。
レンズ鏡筒の先端部にもフォーカスコントロールボタンを配置し、フォーカスセレクトスイッチで好みの機能を割り当てることで、AFやフォーカスロックなどの操作を快適に行うことができるようになっている。
「XF200mmF2 R LM OIS WR」とテレコンバーター「XF1.4X TC F2 WR」を装着した画角の比較。
「XF200mmF2 R LM OIS WR」のみ
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テレコンバーター「XF1.4X TC F2 WR」装着時
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■フジノンレンズ XF200mmF2 R LM OIS WR の主な仕様
マウント FUJIFILM Xマウント
焦点距離 200mm(35mm判換算 305mm相当)
開放絞り F2
最小絞り F22
レンズ構成 14群19枚(EDレンズ2枚、スーパーEDレンズ1枚)
画角 8.1°
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
撮影距離範囲 1.8m〜∞
最大撮影倍率 0.12倍
フィルター径 φ105mm
サイズ(最大径×長さ) φ122×205.5mm
質量 約2265g(三脚座込み/レンズキャップ、フードを除く)
付属品 レンズフロントキャップ FLCP-105、レンズリアキャップ RLCP-001、レンズフード、ショルダーストラップ、レンズケース
■フジノン テレコンバーター XF1.4X TC F2 WR の主な仕様
焦点距離 主レンズの1.4倍
開放絞り 1段分暗くなる
最小絞り 1段分暗くなる
レンズ構成 4群7枚(非球面レンズ1枚)
撮影距離範囲 主レンズとほぼ同等(撮像素子面から)
最大撮影倍率 主レンズの1.4倍
サイズ(最大径×長さ) φ58×15mm (突起部を除く)
質量 約130g(レンズキャップを除く)
付属品 レンズフロントキャップ、レンズリアキャップ RLCP-001、レンズポーチ
〈文〉柴田 誠 〈写真〉我妻慶一