ソニーのプレミアムレンズシリーズ “Gマスター” に相応しい解像性能とボケ味を実現しながら、大幅な小型・軽量化を追求した大口径広角レンズが登場した。機動力を生かした撮影が楽しめる「FE 24mm F1.4 GM」。その実力を実写チェック!
■画質性能と小型化を追求し、軽快に撮り歩ける
高い描写性能を誇るソニーのGマスターシリーズに、24mm F1.4の大口径広角レンズが登場した。フルサイズ対応で高性能な大口径レンズというと、大きくて重いイメージがあるが、このレンズは驚くほど小さくて軽い。しかも、フードを逆付けしたままでも小型のバッグに収納できてしまう。
今回は4240万画素の「α7R III」に装着したが、小型・軽量なので、ボディとのバランスは良好。フルサイズを意識しないほど軽快に撮り歩けた。
描写は絞り開放からとてもシャープだ。画面四隅の流れや甘さも少なく、周辺光量低下もほとんど気にならない。1段絞ると鮮鋭度はさらに増し、2段絞ると隅々まで均一な画質になる。F1.4の明るさと大きなボケ、機動力の高さを生かして、スナップやポートレート、風景などを高解像で楽しみたい。
■αレンズ最多の11枚羽根円形絞り
11枚の円形絞りを採用し、美しいボケ味が得られる。これはF2.8に絞った状態。ほぼ円形になっているのがわかる。ポートレートやネイチャーなど、ボケを重視した撮影にも向く。
■最新光学技術を採用し高画質を追求
超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズを2枚使用。サジタルフレアを抑制し、優れた点光源の再現性を持つ。さらにEDガラス3枚やナノARコートにより、Gマスターの高い描写力を実現した。
■新開発ダイレクトドライブSSM
AFはレンズの停止位置の精度が高く、鏡筒の小型化を可能にするダイレクトドライブSSMを採用。静止画・動画を問わず、高速で静粛なAFを実現。レンズの小型・軽量化にも寄与している。
■高い解像性能がα7R III の画質を引き出す
庭園の池にビルが映り込む。24mmの広角を意識して、上下のシンメトリックな構図を狙った。木々の葉はしっかり解像され、ビルはシャープに再現されている。「α7R III」が持つ4240万画素を生かした高解像力の写真が楽しめる。
ソニー α7R III FE 24mm F1.4 GM 絞り優先AE F8 1/50秒 -1EV補正 ISO100 WB:オート
■被写体に寄って美しいボケが楽しめる
広い画角を持つレンズだが、絞り開放で被写体に迫れば大きなボケが得られる。さすがフルサイズのF1.4だ。描写も甘さがなく、ボケ味も自然。特に画面周辺でも丸ボケがほとんど歪んでいない。光学性能の高さを感じる。
ソニー α7R III FE 24mm F1.4 GM 絞り優先AE F1.4 1/100秒 ISO100 WB:太陽光
■FE 24mm F1.4 GM
2018年10月26日発売
希望小売価格 198,000円(税別)
[マウント]ソニーEマウント [レンズ構成]10群13枚 [最短撮影距離]0.24m [最大撮影倍率]0.17倍 [絞り羽根枚数]11枚(円形絞り) [フィルター径]φ67mm [サイズ(最大径×長さ)]φ75.4×92.4mm [質量]約445g
〈写真・解説〉藤井智弘