小林惠さんが写真集『フクシマノート』を上梓した。
小林さんは2011年4月から、原発事故後の福島へ通い続けている。代々住み続けてきた地を突然奪われた家族の姿を目にしながら、目の前の光景を静謐なモノクローム写真に定着させた。自然は大きくその姿を変えていないが、そこに生きる動物たちや人は手立てもなく寄る辺なき日々に落とし込まれている。何点か直截なメッセージが込められた写真はあるが、その多くは静謐な風景だ。そこからあなたは何を読み解くだろう。
■小林 惠『フクシマノート』
260×270mm・93ページ
本体 4,500円(税別)
2018年10月1日発売
冬青社
〈文〉市井康延