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なんと初出場・初グランプリの離れワザ!TopEye全国高校生写真サミット2019

株式会社ニコンイメージングジャパンが全国の中・高校写真部に向けて発行している応援マガジン『TopEye』。今年で創刊40周年を迎える同誌では、年間を通じて実施されているフォトコンにおいて、作品が掲載されるごとに付与されるポイントの合計得点が高い上位15校を招いて「TopEye 全国高校生写真サミット」を開催している。7回目の開催となる今回は、2019年2月1日(金)〜3日(日)の3日間、横浜美術館をメイン舞台に開催された。

 

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

 

このイベントはニコンが次世代を担う写真高校生たちに「写真作品で競い合いながら、共に学ぶ場」を提供することを目的として、2013年から毎年開催されている。全国から選抜された15校の高校写真部が、各校3名1組でチームを組み、合計45名の写真高校生たちが最高の1枚を求めて“港町・ヨコハマ”を縦横無尽に駆け回る。今年のテーマは「時代」。それぞれ、オリジナルな想像力と感性で撮影した3枚の組写真で作品性を競い合った。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

作品の審査にあたったのは、審査委員長の写真家・小林紀晴さんをはじめ、藤岡亜弥さん、秋元貴美子さん、熊切大輔さん、ミゾタユキさん。イベント初日は開会式で小林さんからテーマの発表が行なわれた後、アドバイスタイムを経て、終日自由撮影。撮影可能エリアは横浜市の協力を得て、市内の観光スポットが網羅されており、各校が思い思いの場所で撮影した。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

2日目は自由撮影後、セレクト・プリント作業が行なわれ、チーム作品3点と個人作品3点を高校生たちが自らの手で掲示した。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

その後、各校の生徒たちが作品を見せ合う「持込写真交流会」、プロ写真家による「フォトレビュー」が行なわれ、作品へのアドバイスなどを直接聞けるという貴重な経験をした。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

そしていよいよ各校による作品プレゼンテーションタイム。スライドを使い、撮影意図や狙いなどを審査員に説明。プロ写真家の厳しいツッコミにも負けず、自分たちの作品をアピールした。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

緊張のプレゼンテーションが行なわれた後は、各校の生徒・顧問の先生と写真家による懇親会が催され、交流を深めていた。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

最終日は審査員の写真家・藤岡亜弥さんによる特別講演。昨年の木村伊兵衛写真賞を受賞した藤岡さんから、作品への思いや写真を続けていくことの意義など高校生たちにエールが贈られた。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

グランドフィナーレの表彰式では、「TopEye」の年間優秀賞などの表彰後、「TopEye 全国高校生写真サミット2019」の結果発表が行なわれた。見事、グランプリに輝いたのは初出場の関市立関商工高等学校(岐阜県)の作品「Teen’s Eyes」。グランプリトロフィーと、副賞として「ニコン D7500」+「AF-S DX NIKKOR 18-140mm f/3.5-5.6G ED VR」レンズキットが贈られた。なお、準グランプリは大阪府立成城高等学校。優秀賞は沖縄県立浦添工業高等学校と広島県立庄原格致高等学校が選ばれた。

TopEye全国高校生写真サミット2019

▲グランプリの関市立関商工高等学校チーム。左から左から井戸俊博先生、平田莉菜さん、田口紗希さん、江川愛さん。
 

 

審査委員長の小林紀晴さんは「『時代』というテーマは難しかったと思う。関商工が初出場で初グランプリということに驚かされたが、作品にはいろいろ作り込みがされていて、審査員全員がすごいと声を上げた」と評価のコメント。そして「今回で『TopEye』フォトコンの審査員を卒業する。自分から降りたいとニコンに話をした。フォトコンの審査員は長く務めるものではない。応募者に傾向と対策をされてしまうし、こちらも作品を見て高校がわかってしまうからだ。常に新鮮な目で作品を審査するべきだ」と話した。

TopEye全国高校生写真サミット2019
 

なお、来年度から「TopEye」フォトコンの審査は熊切大輔さんと藤岡亜弥さんのW体制で行なわれると発表された。こうして、3日間にわたる写真高校生たちの“熱い”春のイベントは幕を閉じた。

 

■グランプリ作品

関市立関商工高等学校「Teen’s Eyes」

TopEye全国高校生写真サミット2019

 

■参加校一覧

宮城県白石工業高等学校、中越高等学校(新潟県)、東京都立総合芸術高等学校、神奈川県立瀬谷高等学校、静岡県立伊東高等学校、愛知県立一宮高等学校、関市立関商工高等学校(岐阜県)、大阪府立生野高等学校、大阪府立成城高等学校、和歌山県立神島高等学校、広島県立庄原格致高等学校、山口県立下松高等学校、香川県立坂出商業高等学校、八代白百合学園高等学校(熊本県)、沖縄県立浦添工業高等学校
 

 
〈文〉水澤 敬