富士フイルムは2019年2月13日、プロジェクター「FUJIFILM PROJECTOR Z5000」の発表を行い、プロジェクター市場へ新規参入することを宣言した。
プロジェクターは、商業施設のデジタルサイネージをはじめ、企業のショールームにおける製品PRや、美術館・博物館での作品演出など利用機会が増えており、「限られたスペースで効果的に宣伝を行いたい」「天井や床などを活用して空間を演出したい」といったニーズが高まっている。
毎年、約780万台とフラットな市場だが、画期的な製品により新しい需要を開拓できると考え、プロジェクター製品「Zシリーズ」を今後開発、発売していく。今回、第一弾として「FUJIFILM PROJECTOR Z5000」を発表、2019年4月に発売する。
プレゼンテーションを行ったのは、代表取締役・COOの助野健児氏(右)と光学・電子映像事業部長の飯田年久氏(左)。
「FUJIFILM PROJECTOR Z5000」は、最先端の「FUJINONレンズ」の光学技術を生かした「屈曲型二軸回転機構レンズ」を搭載。レンズを上・下・前・後・左・右の向きに切り替えることができ、本体を動かさずにさまざまな方向へ投写することが可能。映像の向きも縦・横自在に切り替えできる。
さらに、わずか75cmの至近距離から100インチの大画面映像を映せる超短焦点レンズ、上下82%・左右35%のレンズシフト機能などにより、投写の自由度が高く、映像の位置を広い範囲で調整できる。解像度はフルHD(1920×1080)、明るさは5000lm。
世界初の「屈曲型二軸回転機構レンズ」は、大口径球面・非球面レンズなどにより、映像周辺部の歪みや、レンズシフト時に生じる収差を徹底的に抑制。美しい映像を実現している。
本体を動かさずに、壁やスクリーンのみならず、天井や床などにも映像を映し出すことができる。
縦置きが可能なクラス最小、厚さ108mmの小型ボディにより、これまで置くことができなかった場所でも簡単に設置でき、従来は投写できなかった方向にも迫力のある映像を映し出すことができる、画期的なプロジェクターとなっている。収納時はフラットに収まる。
裏面のインターフェースはHDMI×3(1つは側面に装備)とUSB TypeA×1。シンプルだが十分な構成になっている。大きさは、幅470mm×奥行き375mm×高さ108mm(レンズ収納時、突起部除く)。質量約12kg。
汎用性の高いブラックモデル、明るい場所でもなじみやすいホワイトモデルが用意される。ホワイトモデルは今夏発売予定だ。予想市場価格は1,000,000円未満(税別)。
〈文〉稲葉利二