ライカは、フルサイズセンサーと高性能な明るいレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラ“ライカ Q”シリーズの次世代モデル「ライカ Q2」を発表した。発売は2019年3月、希望小売価格は650,000円(税別)。
「ライカ Q」は、世界中でいくつものスペシャルバージョンが作られるなど、ライカの中でもっとも人気のあるカメラの一つ。「ライカ Q2」は、そのフィロソフィーを受け継ぎ、コンパクトさと高画質、高速性を高いレベルでバランスした後継モデルとなっている。
「ライカ Q2」のデザインは、一見すると「ライカ Q」と大きく変わらないものの、防塵・防滴構造となっただけでなく、細部で様々な改良が施されている。シャッター周りのメインスイッチがON/OFFだけになったほか、背面のボタンも角形に変更されている。
▲左が「ライカ Q2」、右が「ライカ Q」。
▲「ライカ Q2」の機種名は、ホットシュー部分の刻印だけとなっている。
新開発の35mmフルサイズセンサーは有効4730万画素と、「ライカ Q」の約2倍にアップ。ダイナミックレンジは13絞り分となっている。ファインダーも新開発の高精細368万ドットの有機EL電子ビューファインダーを搭載する。
画像処理エンジン「LEICA MAESTRO II(ライカ・マエストロ・ツー)」にはさらなる改良が加えられ、最大記録画素で10コマ/秒(電子シャッター使用時は20コマ/秒)を実現する。ISO感度はISO 50〜50000で、高感度でのノイズも抑えられている。また4K動画(3840×2160、30fps / 24fps)の撮影も可能となっている。
レンズは「ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.」を搭載する。光学設計は「ライカ Q」と変わらないものの、防塵・防滴のボディになったことから、構造的には全く違ったものになっているのだという。最短撮影距離17cmのマクロ撮影が可能で、レンズ鏡筒にはAF/MFの切り替えロックボタンを備える。オートフォーカスは、同クラスで最速レベルとなる0.15秒未満でのピント合わせを実現。マニュアルでのピント合わせはなめらか動きで、合わせやすいと感じた。
画角を切り替えて記録できるデジタルフレームの機能に75mmが加わり、28mm / 35mm / 50mm / 75mmの4段階で記録が可能となった。ボデイ背面のボタンを押すと、選択した画角のブライトフレームが、レンジファインダーのように液晶モニターに表示されるようになっている。デジタルズーム同様、画面の一部を切り取るもので28mm / 35mm / 50mm / 75mmの焦点距離で撮影した画像はそれぞれ4730万画素 / 3000万画素 / 1470万画素 / 660万画素となる。
バッテリーは「ライカ SL」と共通のものとなり、撮影可能枚数が350カットにまでアップした(「ライカ Q」は250カット)。バッテリーをレバー操作で取り出す方式を採用しており、電池蓋を持たない構造ながらもシーリングにより防塵・防滴を実現する。
シーリングは、記録メディアの蓋にも施されている。
アプリ「Leica FOTOS」にも対応し、スマートフォンからカメラの各種の設定を変更してシャッターを切るなどのリモート撮影をすることができるようになっている。さらに Bluetoothで接続するイジーペア、スマートフォンから画像を素早くチェックできるリモートウェイクアップ。スマートフォンの時計と同期するオートクロックセットといった新機能にも対応する。
■アクセサリー
「ライカ Q2」とともに、豊富なアクセサリーも登場。レザー製のカメラプロテクターとキャリングストラップをはじめ、ホルスター、サムレスト、ハンドグリップなどの専用アクセサリーも発売される。
■Leica Q2 主な仕様
有効画素数 4730万画素
撮像素子 フルサイズCMOSセンサー
レンズ ライカ ズミルックス f1.7/28mm ASPH.
ISO感度 ISO 50〜50000
シャッター速度 60〜1/2000秒(メカシャッター)
ファインダー 368万ドット 有機EL電子ビューファインダー
画像モニター 3.0型 約104万ドット TFT液晶モニター(タッチパネル)
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード(UHS-II対応)
サイズ(幅×高さ×奥行) 130×80×91.9mm
質量 637g(本体のみ)/718g(バッテリーを含む)
付属品 キャリングストラップ、レンズフード、レンズキャップ、ホットシューカバー、充電式リチウムイオンバッテリー、バッテリーチャージャー、電源コード
〈文〉柴田 誠