Appleは、2019年1月22日(火)~2月7日(木)に開催した「Shot on iPhone Challenge」の審査結果を発表した。
「Shot on iPhone Challenge」は、iPhoneで撮影した世界各地のベストショットを募集したフォトコンテスト。InstagramやTwitterなどにアップされた応募作品の中から、国際的な審査員が10名の作品を厳選した。
受賞者の出身国は、シンガポール、ドイツ、ベラルーシ、イスラエル、アメリカと、グローバル。受賞作品は「iPhone XS Max」から「iPhone 7」まで様々なモデルで撮影されており、iPhoneの品質を活かした表現がされている。受賞作品を審査員の言葉とともに紹介する。
■撮影者:Alex Jiang(アメリカ) 使用機材:iPhone XS Max
講評
「美しい色に満たされ、構図に物語性を感じさせる写真。拡大すると、それぞれの家族と生活のディテールが見える。バスケットボールのフープで、背後にさらに多くの物語が感じさせる。」(Chen Man)
「建物の中にある物語。ごく普通のアパートだが、壁の向こう側には人生がある。鮮やかな色と、バスケットボールのボードを真ん中に置いた完璧な構図。目のつけどころが素晴らしい。」(Annet de Graaf)
■撮影者:Blake Marvin(アメリカ) 使用機材:iPhone XS Max
講評
「この写真を撮るには、忍耐とベストなタイミングが必要だったに違いない。iPhoneのゼロシャッターラグとスマートHDRのおかげで、アライグマの目と丸太の中の深い影を共に見ることができた。これまでは自然光でこういった瞬間を捉えるのはほぼ不可能だった。」(Austin Mann)
「ふとこちらを見たアライグマの目線を捉えたプライスレスな瞬間。このままゆっくり後ずさりしてくれたら誰も怪我をしないで済む、とアライグマが言っているかのようだ。白と黒の使い方がうまく、アライグマに合わせた焦点と丸太の空洞内部が、時間が凍結されたような動きを表現している。」(Phil Schiller)
■撮影者:Darren Soh (シンガポール) 使用機材:iPhone XS Max
講評
「まさに絵のように見えるリフレクション。2つの世界がぶつかったみたいだ。どこでどうやって撮ったんだろうと考えずにはいられない。角で飛んでいる鳥が、超現実的な構図の中で唯一命を表現している。」(Phil Schiller)
「歪みと反射が不思議な角度で交差している。素晴らしい感情を呼び起こす写真。」(Chen Man)
■撮影者:Nikita Yarosh(ベラルーシ) 使用機材: iPhone 7
講評
「この写真のいいところは、身近なこと。美しい写真を撮る場所はすぐそばにあると言っているようだ。線が交差する様子、生き生きとした色、古いものと新しいものの共存がただただ素晴らしい。」(Austin Mann)
「この写真のシンプルなところが好き。構図、光、ディテール、全てが素晴らしい。小さな線にも目がいって、何が起きたのか、ここはどこなのか、誰がいたのか、と考えさせられる。私の場合、いいイメージというのは強くて美しいだけでなく、何かを考えさせる、そして考え続けさせられるものだ。」(Luísa Dörr)
■撮影者:Dina Alfasi)イスラエル) 使用機材:iPhone X
講評
「ハート型の水たまりの中に、被写体が急いで歩き去る一瞬が捉えられている様子がとてもいい。」(Sebastien Marineau-Mes)
「よくある水面に映っている被写体というテーマを新しい切り口で捉えている。被写体がはっきりと写っているところが素晴らしい。iPhoneの被写界深度がこれを可能にした。もしこれがデジタル一眼レフだったら、全てに焦点を合わせるのは難しかっただろう。」(Brooks Kraft)
■撮影者:Elizabeth Scarrott(アメリカ) 使用機材:iPhone 8 Plus
講評
「子どもの驚きを美しいセッティングの中で捉えたポートレート。子どもの個性と、周囲の中での経験を共に表現する素晴らしい構図。」(Brooks Kraft)
「前後関係がわかるようにうまく背景を使った素敵なポートレート。背景に余計なものがなく、邪魔しないように子どもを配置している。私もちょうどこの場所に立ったことがあるはずだが、この場所で撮られた他のどの写真とも違っている。」(Pete Souza)
■撮影者:Andrew Griswold(アメリカ) 使用機材:iPhone XS
講評
「背景のパターンがイメージに一体感を与え、それが小さく水滴の中に繰り返されているところがとても面白い視覚効果を出している。被写界深度をクリエイティブに使ったことが、この写真のとても素晴らしいところ。」(Jon McCormack)
「iPhone Xsの強みを活かしたとてもユニークな構図と色使い。水滴の1つ1つの中に背景が拡大されて歪められていて、思わずこれは何のパターンなのか色々と考えてしまう。」(Sebastien Marineau-Mes)
■撮影者:Bernard Antolin(アメリカ) 使用機材:iPhone XS Max
講評
「シンプルなシーンのように見えるが、白と黒をうまく使って違った雰囲気を醸しだしている。雲と周辺の風景との間にドラマチックなコントラストを引き出すのに役立っている」(Kaiann Drance)
■撮影者:Lie Adi Darmawan(アメリカ) 使用機材:iPhone XS
講評
「古い肖像写真を撮るようなイメージで撮影された感じがする。山の質感が年老いた顔の皺を連想させる。肖像画と風景画は人間による最も古い創造的な表現方法で、潜在意識の領域に属するものがある。そしてそれこそが私がこの写真に引きつけられる大きな理由であり、何がそうさせるのか説明できないものだ。」(Luísa Dörr)
■撮影者:Robert Glaser(ドイツ) 使用機材:iPhone 7
講評
「見事なダイナミックレンジだ。牧草地、木々、そして雲と、この写真は隅々までディテールが表現されている。空は濃く、美しく、全体的に心地よい色が写し出されている。」(Kaiann Drance)
作品は今後、屋外広告やApple直営店、Webサイトなどに使われる予定。
最新のiPhoneには、明部と暗部両方のディテールを写し出すことができる「スマートHDR」、撮影中と撮影後の両方で被写界深度の調整が可能な「深度コントロール」、被写界深度が調節できる「ポートレートモード」など、最先端のカメラ機能が搭載されている。
〈文〉佐藤陽子