竹内敏信さんの写真集『日本の桜』が発売された。
20年ほど前から、3月下旬からのひと月半は日本全国の桜を求めて撮影してきた。移動は車を使い、その1日の走行距離は400kmを超す。車中では双眼鏡を使って被写体を探す。有名な桜を訪ねるよりも、偶然の出会いを引き寄せたいからだ。桜の周囲にある自然は効果的に取り入れていくが、人工物は一切排除する。それが歴史のある神社仏閣、城などであってもだ。花に宿る美だけを抽出する。それが、竹内敏信さんが見い出した桜撮影の哲学のようだ。
■竹内敏信『日本の桜』
B5判変型・96ページ
本体 1,852円(税別)
2019年3月15日発売
クレヴィス
〈文〉市井康延