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癒えない傷を22年にわたり取材し続けた大石芳野写真集『長崎の痕』

大石芳野さんが写真集『長崎の痕(きずあと)』を上梓した。

 

大石芳野『長崎の痕』

 

本書を読むと、今の日本が実に奇異に見えてくる。大石さんが訪ねたのは、長崎で子どものころに被爆した人々だ。自らも傷つき、家族を失い、病を背負って生きてきた。国はその人たちに対しても補償を拒み、切り捨てている。福島などで今、起きている現実は、長崎でも現在進行形なのだ。取材は1997年から22年に及ぶ。戦後70年を超えても傷は癒えていない。その現実に震撼しなくてはいけない。

 

■大石芳野写真集『長崎の痕(きずあと)』

四六倍判変型・288ページ
本体 4,200円(税別)
2019年3月26日発売
藤原書店
 

 

 
〈文〉市井康延