クラウドファンディングで目標金額の3倍以上を集めた下西製作所の「インダクションキャッチ」がAmazonでの販売を開始。ホルダーとカメラの脱着を、磁力を使うことで格段にスムーズかつ強力に行なえるようにしたものだ。
この製品をカメラの底面とストラップ、もしくは三脚の雲台などに付ける。レアアースを利用した高磁力磁石がカメラを誘導するから、設置部分を探すことなく自然とホルダーに収まる。
初めて民生用の商品に取り組んだことで、2018年にマーケットリサーチを兼ねてクラウドファンディングで購入者を募った。予想以上の反響で、その後、製品のブラッシュアップと価格、販路の検討を進めてきた。
「この磁力はメモリーカードなどへの影響はありませんが、吸着力を高め、磁気を封じ込める設計開発とコストのバランスを探りました」と新規事業開発グループの下西毅課長。
Amazonで販売中の「インダクションキャッチ typeC」は耐久性を上げ、セイフティスイッチの使用感をよりマイルドにした。価格は13,980円(税・送料込)。先行する海外製品に比べて高めだが、その差は使えば納得するはず。
「気温60℃・湿度90%から−20℃に設定し、これを繰り返し96時間後でも問題なく動作しました。耐久試験は5万回をクリアしています」
何より磁力がサポートする着脱の快感とホールディングの安定感を知ったらほかは使えない。東大阪の町工場によるモノづくりのクオリティだ。そして、販路はまずAmazonからの強力なオファーに応えることにした。
「量販店や一般ユーザーからも多数の問合せをいただきました。タイミングを計りながら販路を広げていきます」
寄せられた声が製品の質と満足度を高め、新しい製品を生む。現在、新型のネックストラップも開発中で、その動きは目が離せない。今後の動向をご期待あれ。
■使用例
■Amazon インダクションキャッチ typeC
〈文〉市井康延