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生き物たちが作り出す光に酔いしれる 宮武健仁写真集『Shine -命の輝き-』

宮武健仁さんが写真集『Shine -命の輝き-』を上梓した。

 

宮武健仁写真集『Shine -命の輝き-』

 

宮武さんが追う被写体はタイトル通り、輝く生命だ。ホタルや発光するキノコ、甲殻類のウミホタル、ホタルイカなどだが、彼らと出会うことは簡単ではない。さらに宮武さんは単に光る生物を撮るだけで満足せず、背景にもこだわったからなおさらだ。

満天の星空の下で碧く輝くウミホタルや、神秘的な竹林の中を舞うヒメボタルたち、結界を思わせる境内の鳥居に乱舞する小さな光の様は見飽きることがない。また光沢感のある印刷が、この写真世界をより映えさせている。ただ、この光景は誰かに見せるためのものではなく、小さな命が自らの種を次の世代へとつなごうとする懸命の行為である。生命の神秘に酔いしれつつ、この写真が持つメッセージも受け止めなくてはならない。

 

■宮武健仁『Shine -命の輝き-』

148×203mm・96ページ
本体 1,500円(税別)
2019年6月21日発売
青菁社

 

 
〈文〉市井康延