嶋田忠さんが写真集『LAST PARADISE 精霊の踊る森』を上梓した。
巻頭にパプアニューギニアの深い原生林が広がり、読者は早々に大自然へと導かれる。次々と現れる鳥たちは鮮やかな原色を身にまとい、実に個性的な姿形を見せてくれ、グイグイとこの世界に引き込まれていく。この島に生きる人々も、祭りではこの鳥たちの羽根をあしらい、極彩色を身に施す。そう、嶋田さんが被写体に選んだ極楽鳥は、一部の地域にしか生息しない42種の珍鳥だ。
嶋田さんは1993年からこの島に通い撮影を続けてきた。生態とともに、撮りたかったのはオスとメスの求愛ダンスである。世界で誰も見たことのない踊りを目にするために、ジャングルの片隅に身を潜める。そうした興味深い撮影エピソードも巻末に記されている。
■嶋田 忠『LAST PARADISE 精霊の踊る森』
260×260mm・108ページ
本体 3,600円(税別)
2019年7月19日発売
講談社
〈文〉市井康延