ニコンが、フルサイズミラーレスカメラ「ニコン Z」シリーズ用の大口径望遠ズームレンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」を2020年2月14日 (金) に発売する。希望小売価格は322,300円 (税別)。
<2020.8.6> 発売日が2020年8月28日に決定。
<2020.7.21> 発売時期が2020年9月と発表された。
<2020.1.31> 生産上の都合による発売延期が発表された。
「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は、70-200mmのズーム全域で開放F値2.8の望遠ズームレンズ。NIKKOR Zレンズの中でもさらに高い基準を満たす「S-Line」に属する。望遠ズームレンズでありながら広角端での最短撮影距離はクラス最短の0.5mを実現 (2020年1月7日現在 / 望遠端は1.0m)。また、手ブレ補正効果はNIKKORレンズ史上最高の5.5段。ズーム全域で絞り開放から、画像周辺部まで高い解像力を発揮し、被写体を細部まで克明に描写する。
■NIKKORレンズ最高の手ブレ補正5.5段
レンズシフト方式VR機構を内蔵。NIKKORレンズ史上最高となる5.5段※の手ブレ補正効果を発揮する。また、動体の撮影に適した[SPORT]モードも搭載。ブレの少ない安定したファインダー像で、動きの変化が激しい被写体でも捉え続けやすくなる。
※CIPA規格準拠。「NORMAL」モード使用時。35mmフィルムサイズ相当の撮像素子を搭載したミラーレスカメラ使用時。最も望遠側で測定。
■光学性能
レンズ構成は18群21枚。新開発のSR (Short-wavelength Refractive) レンズ1枚、蛍石レンズ1枚、EDレンズ6枚、非球面レンズ2枚を採用している。
SRレンズは、ニコン独自開発の特殊高分散ガラスを使用したレンズ。青より短い波長の光を大きく屈折させる特性を持ち、高精度な色収差補正が可能になる。また、レンズの小型・軽量化にも寄与する。
反射防止コーティングにはニコン独自の「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」両方を採用。相乗効果により、入射光に起因するゴーストやフレアを効果的に低減し、光源が画面内にある場合でも抜けの良いクリアな画像が得られる。
■AF性能
「マルチフォーカス方式」の採用で、望遠ズームレンズ「AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR」と同等のAF性能を実現。高速・高精度なAF制御に加え、近距離の撮影でも収差の少ない優れた光学性能を発揮する。
■動画撮影にも使いやすく
動画撮影での使いやすさも追求。AF駆動にSTM(ステッピングモーター)を採用することで、より一層の静音化を実現。レンズ駆動音が動画に入り込むことを気にせずに撮影できる。また、ズーミング時にピントがずれてしまうバリフォーカルや、フォーカシング時に意図せず画角が変化してしまうフォーカスブリージングを抑制する。
■操作性
大口径望遠ズームレンズでありながら、携行性に優れた軽量設計。絞り/ISO感度/露出補正のいずれかを割り当てて滑らかに制御できる「コントロールリング」、ファインダーを覗くことなく絞り、撮影距離、被写界深度などの情報を確認できる「レンズ情報パネル」、カメラボディのファンクションボタンと同等の機能を割り当てられる「レンズFnボタン」を搭載している。
また、防塵・防滴に配慮した設計や、マグネシウム合金製部品の採用による優れた耐久性も実現。最前面のレンズ面にはフッ素コートによる高い防汚性能も備えている。
■NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S 主な仕様
マウント ニコンZマウント
焦点距離 70-200mm
開放絞り F2.8
最小絞り F22
レンズ構成 18群21枚 (EDレンズ6枚、非球面レンズ2枚、蛍石レンズ1枚、SRレンズ1枚)
画角 34°20′〜 12°20′(撮像範囲FX) / 22°50′〜 8°(撮像範囲DX)
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 0.5m (焦点距離70mm)、0.63m (焦点距離85mm)、0.68m (焦点距離105mm)、0.8m (焦点距離135mm)、1.0m (焦点距離200mm)
最大撮影倍率 0.2倍
フィルターサイズ 77mm
サイズ (最大径×長さ) 約φ89×220mm
質量 約1440g (三脚座を含む)、約1360g (三脚座なし)
付属品 レンズキャップ77mm LC-77B (スプリング式)、裏ぶた LF-N1、バヨネットフード HB-92、レンズケース CL-C3
〈文〉佐藤陽子