キヤノンは、2020年2月13日に開発発表したフルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」の仕様の一部を3月13日に追加公開した。
「EOS R5」は、EOS Rシステムの次世代フルサイズミラーレスカメラ第一弾として開発発表されたモデル。開催中止となったCP+2020で参考展示される予定になっていたものだ。3月13日に追加発表されたのは、8K動画撮影機能の仕様と、AF機能の2点。2月の発表時点では、キヤノン初となるボディ内手ブレ補正機構、新開発のCMOSセンサーを搭載し、電子シャッターで最高約20コマ/秒の連写、8K動画の撮影が可能となることが発表されていた。
■8K動画撮影の全モードでデュアルピクセルCMOS AFに対応
8K動画撮影は、発表済みの静止画切り出しや4K動画への加工が可能なことに加えて、「フレームレートが29.97fps」であること、「水平方向クロップなし」で撮影が可能であることが明らかになった。さらに、「全モードでデュアルピクセルCMOS AF撮影が可能」で、「記録メディアに直接書き込める内部記録」も可能となる。
フレームレートは1秒間のコマ数で、多いほどなめらかな動画になるがデータ量も大きくなり、扱いづらくもなる。29.97fpsはテレビやDVDなどで使用されているフレームレートで、汎用性が高い。水平方向クロップなしでの撮影が可能なことと合わせて、4Kの4倍に当たる8Kの高解像ながら、映像のハンドリング性はよさそうだ。
また、デュアルピクセルCMOS AFは、撮像センサーが測距素子としても機能するもので、ライブビューや動画撮影時のAFを高速化できるAFシステム。ラインナップの豊富なEFレンズにも対応することから、幅のある映像表現ができそうだ。
■AFは犬・猫・鳥の全身・顔・瞳を検出
AFの被写体検出機能は、「犬・猫・鳥」の「全身・顔・瞳」に対応する。犬・猫・鳥に限定されるものの顔AF、瞳AFを超えた動物の全身検出は、デュアルピクセルCMOS AFの進化を想像させる。
未発表の画素数も気になるところだが、高速連写や高性能な手ブレ補正と組み合わせることで、新たな表現も可能になりそうだ。今後の新情報の発表にも期待したい。
〈文〉柴田 誠