諸河久さんの写真集『1970~80年代 阪急電車の記録』上下巻が発売された。上巻には宝塚本線・神戸本線とその沿線支線、下巻には京都本線・千里線・嵐山線の写真が収録されている。
東京生まれの諸河さんは、雑誌の表紙で阪急電車を目にした。高校生になって関西を探訪し、モノクロで阪急をはじめ、京都線、神戸線などを撮り歩いた。
その後、出版社の撮影依頼で阪急ロケを行なう。そのときはコダクロームを使い、暗い茶系のマルーン色が印象的に写し出されている。
非冷房で登場し改良を重ねた300系、1983年に引退した710系などさまざまな車両を追いつつ、季節感、周囲の風景を入れたカットも収めた。撮影したころとの街の変化も興味深い。
諸河 久『1970~80年代 阪急電車の記録』
B5判・各96ページ
本体 各1,500円(税別)
2020年3月11日発売
フォト・パブリッシング
〈文〉市井康延