ビクセンは、手持ちのカメラと望遠レンズで星野写真撮影を手軽に始められるツールをセットした「APフォトガイダー・望遠撮影キット」を2020年5月29日に発売した。
星野写真とは、赤道儀と望遠レンズで星雲や星団などの天体を撮影した写真のこと。「APフォトガイダー・望遠撮影キット」は、星野写真を撮影するためのツール「APフォトガイダー」に加えて、「スライド雲台プレートDD」「クイックリリースクランプセット」「APフォトガイダー用ウェイト軸」「バランスウェイト1.9kg」を同梱したオールインワンセットで、「カラー星空ガイドブック」と「星座早見盤」も付属する。価格は196,000円 (税別) 。
■追尾性能に優れたポータブル赤道儀「APフォトガイダー」
「APフォトガイダー」は、優れた追尾精度を備えた軽量コンパクト設計のポータブル赤道儀。数分間の自動追尾であればノーガイドでの星野写真撮影が可能となっている。「極軸望遠鏡 PF-LII」を標準装備しており、3分角以内の精度で極軸を合わせることができる。スケールは、暗所でもスケールと星の視認性に優れた自動消灯式の暗視野照明で、使用後の消し忘れにも配慮した設計となっている。
■星野写真を撮影するには?
星野写真を撮影するには、スライド雲台プレートに市販のカメラ雲台を取り付け、カメラ一式を取り付けて撮影する。「スライド雲台プレートDD」は、「星空雲台ポラリエ用マルチ雲台ベース」用に開発されたビクセン規格 (幅44mm) のカメラ機材搭載用スライドレール。システム全体の携帯性を損なわないように、最低限のシステム重量で最大限のカメラを搭載できるよう配慮されており、スライドレールの長さはモーメント荷重が最も効率的な240mm (全長260mm) に設定されている。
軽量なカメラであればそのまま撮影が可能で、重量のあるカメラの場合には「APフォトガイダー用ウェイト軸」と「バランスウェイト1.9kg」を取り付けることでバランスが取れ、より安定した状態で星野写真を撮影することができる。
■大口径望遠レンズに対応
標準装備の「スライド雲台プレートDD」と「クイックリリースクランプセット」により、70-200mmF2.8クラスの大口径望遠レンズなどを搭載しても重心を合わせることができるため、安定した撮影が可能になる。「クイックリリースクランプセット」は、少ないカウンターウェイトで重量バランスを合わせることのできる、回転機構を備えた低重心の薄型プレートホルダー。「クイックリリースパノラマクランプ」と「クイックリリースアングルプレート」がセットになっている。
Vixen APフォトガイダー・望遠撮影キット
■セット内容
- APフォトガイダー
- スライド雲台プレートDD
- クイックリリースクランプセット
- APフォトガイダー用ウェイト軸
- バランスウェイト1.9kg
- カラー星空ガイドブック
- 星座早見盤
■APフォトガイダー 主な仕様
三脚部 アルミ製3段伸縮式三脚
三脚部サイズ 長さ 570〜1296mm 高さ 526〜1159mm 縮長598.4mm 設置半径350〜710mm
重量 総重量 5.4kg (本体 2.4kg、三脚部 3.0kg)
搭載可能重量 約6kg
〈文〉柴田 誠