キヤノンは、10色顔料インク搭載のインクジェットプリンター「imagePROGRAF PRO-G1」と、8色染料インク搭載のインクジェットプリンター「PIXUS PRO-S1」を2020年11月中旬に発売する。価格はいずれもオープン。キヤノンオンラインショップの販売価格は、「PRO-G1」が79,800円、「PRO-S1」が69,800円 (いずれも税別) となっている。
「imagePROGRAF PRO-G1」と「PIXUS PRO-S1」は、プロからハイアマチュアまで幅広い層のフォトグラファーからの“撮影した写真を作品として印刷したい”というニーズに応えたもので、両機種とも新開発インクを採用する。
それぞれ色の再現領域が拡大されており、従来機種の優れた操作性や機構を継承しながら、高速プリントを実現。さらに「Professional Print & Layout」などの各種ソフトウェアにも対応し、キヤノンの入出力連携の基本コンセプト「Crystal-fidelity」に基づいて、一眼レフカメラ・ミラーレスカメラのEOSシリーズで撮影した画像を忠実に再現して印刷することが可能となっている。
また、パソコン用ソフトウェア「Media Configuration Tool」などの各種ソフトやアプリに対応することで、効率的な印刷ワークフローを実現している。
■10色顔料インク搭載モデル「imagePROGRAF PRO-G1」
「imagePROGRAF PRO-G1」は、新開発のマットブラックインクを含む10色顔料インク「LUCIA PRO」を採用したA3ノビ対応のインクジェットプリンター。A3ノビ / フチあり / カラーの印刷速度を従来機種の「PIXUS PRO-10S」(2015年2月発売) よりも1分以上短縮し、約4分15秒で高速にプリントすることができるものとなっている。
「新マットブラックインク」の採用により、マット紙やファインアート紙への印刷における黒濃度が向上した。暗部の階調性や色の再現領域が拡大することで、表現力豊かな作品を印刷することが可能だ。
また、キヤノン独自開発の透明インク「クロマオプティマイザー」の搭載により、表面の光沢を均一化。なめらかに仕上げることで光沢のムラを抑制し、暗部がより引き締まり、ディテールが浮き出てくるような表現が可能となっている。さらに「クロマオプティマイザー」に加え、新規インクの溶剤処方・樹脂を採用することでインクの緻密な配置が可能。表面の光反射がより均一になり、反射光や照明光によって本来とは違った色味が付いて見える「ブロンズ現象」がさらに抑制されている。
高密度プリントヘッド技術「FINE (ファイン)」により、極小インク滴の吐出が可能になっており、高コントラストで粒状感が感じられず、階調性も豊かな高品位な写真プリントを実現している。
また、モニターマッチングの精度が向上しており、作品の仕上がりをモニター上で完結させることが可能。プリントのやり直しによるコストやレタッチの作業時間を軽減するものとなっている。
さらに、インクとプリントヘッドを制御する画像処理エンジン「L-COA PRO」、適正なインクの組み合せと紙面へのインク滴の配置を導き出す「OIG System」、プリントヘッドと用紙の距離からインクの着弾ズレを計算して、プリント中のズレを補正し、正確な位置にインクを吐出する「動的色間補正」、インク吐出量を1/1000秒単位でコントロールする「リアルタイム駆動制御」など、最新の技術が注ぎ込まれている。
[最高解像度] 4800×2400dpi [インク] 10色顔料独立インク [最大用紙サイズ] A3ノビ [操作パネル] 3.0型液晶モニター [外寸] 約W639×D379×H200mm (トレイ類を除く) [質量] 約14.4kg (プリントヘッド、インクタンクを含む)
■8色染料インク搭載モデル「PIXUS PRO-S1」
「PIXUS PRO-S1」は、「PIXUS PRO-100S」(2015年2月発売) の後継機。新開発のマゼンタとブラックを含む8色染料インクを採用するA3ノビ対応のインクジェットプリンターだ。レッドやブルーの色域と暗部の色再現性が拡大するとともに、黒濃度の向上も実現した。
さらに、キヤノンの染料インク (BCI-66) と純正写真用紙の組み合せにより、写真の美しさと保存性を高めたシステム「ChromaLife100+」(クロマライフ100プラス) により、色あせにくく、写真の美しさを長く楽しむことができるものとなっている。
撮影された写真がどのようなシーンなのかを自動で解析・分類し、シーン別に適切な補正を行って、オリジナルの良さを保ちながら、美しく仕上げる「自動写真補正」機能を搭載する。さらに「エリア別明るさ補正」により、露出不足の写真も適切な明るさに補正してくれる。
また、インクとプリントヘッドを制御する画像処理エンジン「L-COA PRO」の搭載により、大容量画像データの処理とプリントデータの作成、インク配列を制御。高画質と高速プリントの両立を実現した。高密度プリントヘッド技術「FINE」をはじめ、「OIG System」「動的色間補正」「リアルタイム駆動制御」「モニターマッチング」など、「PRO-G1」にも搭載されている多くの技術が採用されている。
[最高解像度] 4800×2400dpi [インク] 8色染料独立インク [最大用紙サイズ] A3ノビ [操作パネル] 3.0型液晶モニター [外寸] 約W639×D379×H200mm (トレイ類を除く) [質量] 約14.1kg (プリントヘッド、インクタンクを含む)
〈文〉柴田 誠