諸河久さんの写真集『1970〜80年代 京阪電車の記録』が発売された。
京阪電車の歴史を1980年代から70年代へと遡る。撮影は当然、フィルムであり、カラーはコダクロームを使用した。つい最近まで、この時代も今と地続きに思えたが、遠い過去になった。
車両の顔やフォルムは、アナログな機械式の存在感を発していて、フィルムならではの質感もその味わいを深めている。モノクロの時代になると、町や人の姿が写真に入ってきて、鉄道がより身近であったことを実感させる。背景に入り込んだ建物や看板なども実に興味深い。
諸河 久『1970〜80年代 京阪電車の記録』
B5判・128ページ
本体 1,800円(税別)
2020年4月23日発売
フォト・パブリッシング
〈文〉市井康延