ニコンイメージングジャパンは、ニコンZマウントを採用した大口径標準レンズ「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」を2020年12月に発売する。希望小売価格は281,200円 (税別) で、ケースとレンズフードが付属する。
<2020.11.30> 発売日が2020年12月11日に決定。
「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」は。「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」(2018年12月7日発売) に続く2本目のZマウント50mm単焦点レンズ。NIKKOR Zレンズの中でもハイレベルな光学性能を発揮する「S-Line」に属する。開放F値1.2により、美しく滑らかなボケを実現。ピント面の解像感と奥行きを感じさせる滑らかなボケのグラデーションにより、立体感のある表現が楽しめる。
■光学性能
3枚の非球面レンズと2枚のEDレンズを効果的に配置した光学系により、各種収差を効果的に補正して、像の歪みが極めて少ない解像感の高い画像を得ることができる。レンズ構成は15群17枚の対称型を突き詰めた構成となっており、光を無理に屈折させずにイメージセンサー (撮像素子) へと届けることで、収差を極めて少なく抑えている。これにより、画像の中心部から周辺部まで、均一性の高い画質を実現した。
コーティングは、反射率を低く抑え、より広い波長域と角度範囲での反射防止を可能にした「ナノクリスタルコート」に加えて、レンズ面に対して垂直に入射する光に対して高い効果を発揮する「アルネオコート」を採用。可視光全域で安定した超低反射率を実現する。
■AF性能
AF駆動系にSTM (ステッピングモーター) を採用したマルチフォーカス方式より、高速・高精度なピント合わせを実現。開放F値1.2の浅い被写界深度でも、鮮明な画像を得ることができ、至近距離の被写体に対しても収差の少ない優れた解像力を発揮する。なお、開放F値1.2のフルサイズデジタルカメラ用交換レンズでのSTM搭載は初となっている。
■操作性
AF駆動にSTMを採用したことで、さらなる静音化を実現しており、レンズ駆動音を気にせず動画を撮影することができる。絞り値・露出補正・ISO感度を割り当てられるコントロールリングもクリックレスとなっている。
また、フォーカシング時にピント位置の移動に伴って画角が変化するフォーカスブリージングの抑制にも対応した。鏡筒には絞り値、撮影距離と被写界深度などの情報を確認できる「レンズ情報パネル」、好みの操作を割り当てられる「L-Fnボタン」を搭載する。
■防塵・防滴性能
シーリングをレンズ鏡筒の可動部分などに施し、レンズマウントにはゴムリングを採用して埃や水滴の侵入を防ぎ、高い防塵・防滴性能を実現する。また、駆動機構付き絞り羽根ユニットをレンズ本体に搭載した電磁絞り機構の採用により、連続撮影時も含めて常に安定した露出制御 (AE) が可能となっている。
NIKKOR Z 50mm f/1.2 S 主な仕様
マウント ニコンZマウント
焦点距離 50mm
開放絞り F1.2
最小絞り F16
レンズ構成 15群17枚 (EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚)
画角 47° (撮像範囲FX)、31°30′ (撮像範囲DX)
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 撮像面から0.45m
最大撮影倍率 0.15倍
フィルターサイズ φ82mm
サイズ (最大径×長さ) 約φ89.5×150mm
質量 約1090g
付属品 レンズキャップ82mm LC-82B (スプリング式)、裏ぶた LF-N1、バヨネットフード HB-94、レンズケース CL-C2
〈文〉柴田 誠