伊藤彰浩さん、伊藤かおりさんの写真絵本『世界遺産知床の自然と人とヒグマの暮らし』が発売された。
熊が町に現れたという報道があるが、そこで熊は害獣としてしか扱われていない。本書を読めばそれが誤りなことがわかる。
知床の海は多くの小魚が集まり、それを狙う魚や動物たちがやって来る。ヒグマは何でも食べるので、山や海岸などを歩き捕食する。伊藤さんはそんな彼らの営みを見つめ記録した。
多くの命が知床の自然に生かされていて、ヒグマも人間もその一つに過ぎない。この本はそんな当たり前のことを気づかせてくれる。
伊藤彰浩 (写真)、伊藤かおり (文)『世界遺産知床の自然と人とヒグマの暮らし』
B5判・56ページ
本体 1,600円(税別)
2020年9月14日発売
少年写真新聞社
〈文〉市井康延