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またひとつ、フィルムが姿を消す…「フジカラー PRO400H プロフェッショナル」の生産販売が終了

富士フイルムイメージングシステムズは、カラーネガフィルム「フジカラー PRO400H プロフェッショナル」生産販売の終了を2021年1月15日に発表した。その理由は、「生産に使用する原材料の一部の調達が困難になったため」としている。出荷終了時期は、135サイズの36枚撮り単品が2021年3月、120サイズ12枚撮り5本パックが2022年3月の見込みとなっている。

フジカラー PRO400H プロフェッショナル

 

「フジカラー PRO400H プロフェッショナル」は、2013年に国内で販売が開始されたISO400のカラーネガフィルム。主にプロ向けのポートレート用カラーネガフィルムとして、海外向けに販売されていたものだ。2010年に、宣伝広告用のスチール写真や建築写真用途としての135 / 120サイズが試験的に国内販売されていたが、2013年の「フジカラー PRO400」の販売終了に伴い、それに替わるものとして、国内向けに本格導入されたという経緯がある。

カラーフィルムの生産終了の理由として多く聞かれるのは「原材料の調達が困難になったため」ということから、代替品を使ってでも販売を継続して欲しいという声もある。しかし、フィルム需要が縮小していく中で、ビジネスとして成り立たないレベルになっているのも事実。写真文化、フィルム文化を継承していくために、私たちに何ができるのかを真剣に考えなくてはいけない時期を迎えている。

 

 

〈文〉柴田 誠