富士フイルムは、ラージフォーマットミラーレスカメラ「FUJIFILM GFX100S」を2020年2月下旬に発売する。価格はオープンで、市場推定価格は699,000円 (税別)。
<2021.2.19> 発売日が2021年2月25日に決定。
フォーカルプレーンシャッター、手ブレ補正機構を刷新し、レイアウトの見直しと大容量バッテリーの採用などにより「GFX100」よりも500gの軽量化と30%の小型化を実現。機動性の高いラージフォーマットミラーレスとなっている。
■1億2百万画素のラージフォーマットセンサー
「GFX100S」は、GFXシリーズのフラッグシップモデル「GFX100」と同等の1億2百万画素ラージフォーマットセンサーを搭載する。受光性能に優れる裏面照射型のイメージセンサーは、フルサイズの約1.7倍となる42.8×32.0mm。高速画像処理エンジン「X-Processor 4」と「フジノン GFレンズ」との組み合わせにより、高画質を可能にする。さらに、ラージフォーマットセンサーならではの浅い被写界深度により、豊かなボケ味による描写を実現する。
■コンパクトボディ
ボディ内手ブレ補正機構やシャッターユニットの小型化に加え、各種デバイス配置の最適化により、ラージフォーマットセンサー搭載のデジタルカメラながら、質量約900g・幅150.0×高さ約104×奥行き約87mmのコンパクトなボディを実現した。ボディには、高強度のマグネシウム合金を採用。特に負荷のかかりやすいマウント周辺部に十分な厚みを持たせた設計を行うことで、高剛性ボディを実現する。防塵・防滴・−10℃の耐低温構造も備える。グリップは手に馴染みやすい形状を採用し、高いホールド性を実現する。
■AF性能
376万の像面位相差画素をイメージセンサーの全面に配置。カバー率は約100%だ。高速画像処理エンジン「X-Processor 4」により、高速・高精度なAF機能を実現する。動体予測や顔・瞳検出のアルゴリズムを刷新したことにより、動く被写体や人物も正確に捉え続けることができる。同時発売となる「フジノンレンズ GF80mmF1.7 R WR」装着時には、低照度限界−5.5EVを実現。暗所でも被写体を高精度に捉えた撮影が可能となっている。
■新開発のボディ内手ブレ補正機構
新開発のボディ内手ブレ補正機構は、5軸・最大6.0段を実現し、手持ち撮影を強力にサポートする。さらに手ブレ補正ユニットとカメラの基板を繋げる配線のレイアウトなどを最適化することで、「GFX100」の手ブレ補正ユニットと比べて体積で約20%・質量で約10%の小型軽量化を実現した。また、高性能なジャイロセンサー・加速度センサーの採用と振動検出のアルゴリズムの刷新により、手ブレ補正効果は「GFX100」よりも向上している。
■フィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」
フィルムシミュレーションに「ノスタルジックネガ」モードを新たに加え、全19種類のフィルムシミュレーションを搭載する。「ノスタルジックネガ」モードは、高彩度で柔らかい階調表現が特徴。1970年代にアートの分野において主流とされていたモノクロ写真に代わってカラー写真を定着させた、「アメリカンニューカラー」の色調を再現したものだ。
■操作性
モードダイヤルに6つのカスタムポジション (C1~C6) を配置し、各ポジションに好みの撮影条件を登録して、すばやく呼び出して撮影することができる。また、静止画モードと動画モードを瞬時に切り替えることができる「静止画/動画切替スイッチ」を搭載。背面には、フラットな形状を採用した新設計のフォーカスレバーを配置し、フォーカスエリア選択時のレスポンスの向上など、快適な操作を実現する。
■液晶モニター
天面には、視認性に優れる1.80型のサブ液晶モニターを搭載する。シャッタースピード・絞り・感度・露出などの主要な撮影情報に加え、静止画撮影時には残撮影枚数、動画撮影時には撮影時間を表示する。表示のカスタマイズも可能となっている。
背面の液晶モニターは、3.2型・視野率100%で3方向チルトに対応する。236万ドットのタッチパネルで、チルト時にファインダーとの重なりを防止するために、可動域が延長されている。
■動画性能
毎秒30フレームの滑らかな4K動画撮影を実現する。カメラ内SDカードには、4K/30Pで4:2:0 10bitでの記録が可能。HDMI出力時には4K/30P 4:2:2 10bitに対応して、より多くの色情報を記録することができる。ATOMOS社製の「NINJA V」使用時には、Apple ProRes RAWとして記録できる。また、高い圧縮効率の「H.264」「H.265/HEVC」規格のほか、「F-Log」モード、「ハイブリッド・ログ・ガンマ (HLG)」規格にも対応。ビットレートを最大400Mbpsまで設定でき、映像制作の意図にあった表現方法が可能となっている。
■アクセサリー
ハンドグリップ「MHG-GFX S」は、金属性でグリップ長を10mm延長。高いホールドを発揮し、大型のズームレンズなどを装着した際の手ブレを大幅に軽減する。底部はアルカスイス互換形状となっており、クイックプレ―トとしても利用できる。希望小売価格は22,000円 (税別)。なお「GFX100S」には、縦位置グリップは用意されていない。
FUJIFILM GFX100S 主な仕様
有効画素数 約1億200万画素
撮像素子 43.8×32.9mm ベイヤーCMOSセンサー 原色フィルター採用
マウント FUJIFILM Gマウント
ISO感度 ISO 100~12800 (拡張 ISO 50 / 25600 / 51200 / 102400)
シャッター速度 メカニカルシャッター 4~1/4000秒 (Pモード)
画像モニター 3.2型 約236万ドット チルト式タッチパネル付きTFTカラー液晶モニターー
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (UHS-I・UHS-II対応)
サイズ (幅×高さ×奥行き) 150.0×104.2×87.2mm (最薄部44.0mm)
質量 約821g (本体のみ)、約900g (バッテリー、メモリーカードを含む)
付属品 充電式バッテリー NP-W235 (リチウムイオンタイプ)、ACパワーアダプター AC-5VJ、プラグアダプター、専用USBケーブル、ショルダーストラップ、ボディーキャップ、ホットシューカバー、ケーブルプロテクター
〈文〉柴田 誠