ニコンミュージアムの企画展「星の美しさを伝えた天体望遠鏡たち」が、2021年3月2日より開催される。
本展は、株式会社ニコンの歴史を語るうえで欠かすことのできない製品の一つ、天体望遠鏡に焦点を当てた企画展だ。1920 (大正9) 年に発売したニコン初の「三吋 (3インチ) 望遠鏡」の実物展示をはじめ、対物レンズの口径10cm以下の天体望遠鏡10機種をメインに、1931 (昭和6) 年に国立科学博物館 (当時 東京科学博物館) に設置され、70年以上にわたり500万人以上に天体の魅力を伝えた「二十糎 (20センチ) 赤道儀」の対物レンズ、戦前の製品カタログなどを展示する。
さらに、ニコングループの従業員および元従業員が撮影した約130枚の天体写真のスライドショーを上映するほか、記念撮影ができる「映えスポット」を設けるなど、天体を巡る世界をさまざまな角度から楽しめる展覧会だ。
主な展示物
■三吋 (3インチ) 望遠鏡 1920 (大正9) 年
ニコンが初めて販売した望遠鏡の1つ。当時の最高峰の光学技術によって製造された。(国立科学博物館所蔵)
■10cm屈折赤道儀 1980 (昭和55) 年
ニコンが天体望遠鏡にEDガラスを採用した第1号機。対物レンズは独自開発した2枚玉分離式を採用している。
■二十糎 (20センチ) 赤道儀の対物レンズ 1931 (昭和6) 年
「二十糎 (20センチ) 赤道儀」は、国立科学博物館 (当時 東京科学博物館) 上野新館屋上の天体ドームに設置されたニコンの本格的な赤道儀の第1号機。対物レンズは、望遠鏡の性能を左右する最も重要なパーツである。(国立科学博物館所蔵)
国立科学博物館に展示されている二十糎 (20センチ) 赤道儀。
■人工衛星観測望遠鏡 1957 (昭和32) 年
人類初の人工衛星の軌道を観測するために開発された望遠鏡で、世界中の天文愛好家や中高生が参加して観測が行われた。観測用の望遠鏡は世界各国の望遠鏡メーカーで競作され、ニコンではL字型のものを製作している。(国立科学博物館所蔵)
天体写真を特設スクリーンで上映
ニコングループの従業員および元従業員が撮影した約130枚の高画質の天体写真を、100インチの特設スクリーンでスライドショーにて上映。
撮影コーナー (映えスポット)
8cmED屈折天体望遠鏡で撮影したプレアデス星団の天体写真を背景に、8cmED屈折赤道儀に6.5cmED屈折赤道儀を組み合わせた機体と一緒に記念撮影できる。
ニコンミュージアム内の映像ライブラリーでは、同日より映像作品「銀河の構造の探求とニコン91cm反射望遠鏡 (光電赤道儀)」も上映する。
ニコンミュージアム企画展「星の美しさを伝えた天体望遠鏡たち」
会期 2021年3月2日 (火) 〜8月28日 (土)
会場 ニコンミュージアム
住所 東京都港区港南2-15-3 品川インターシティC棟2F
時間 10:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日 月曜・日曜・祝日
料金 無料
問い合わせ ニコンミュージアム (TEL 03-6433-3900)
〈文〉鬼沢幸江