能楽撮影会が京都で開かれる。京都観世流能舞台とシテ役を借り切り、能楽五演目・六姿が演じられる。開催は3日間に分け、2021年5月3日・6月20日・7月18日に行なう。
主催は写真家の新屋進さん。2009年ころから自らのテーマで日本文化を継承する人々を継続的に撮影してきた。「美しい日本人の精神基盤が崩れつつあることを危惧しました」と新屋さん。日本舞踊、琵琶、神楽をはじめ、神道、柔道、弓道など幅広く網羅する。「能楽など伝統芸能は様式美的、美術的作品としても取り組んできました」
この撮影会は写真愛好家からの要望に応え、初めて企画されたもの。1日2演目で、それぞれ撮影を前提にした能舞15分、カメラマンの指示に応えての撮影を25分間行なう。主役のシテは繊細な動きで喜びや悲哀、未練など感情の機微を波動のように送り出すため、予備的な知識がなくても撮影が楽しめるという。「写真家はシテ役と対峙し、テレパシーの交感を迫りながら撮影する。そこが醍醐味です」
撮影距離は三脚使用だと10m、手持ちの場合は4〜5mなので、24-105mmと70-200mmのズームレンズがおすすめだそうだ。
「能楽五演目・六姿」連続撮影企画 概要
開催日・演目
2021年5月3日 (月・祝) 賀茂・羽衣
2021年6月20日 (日) 田村・楊貴妃
2021年7月18日 (日) 船弁慶前編・後編
会場
浅井松吟社 松寿苑 (京都市上京区新町通今出川下ル徳大寺殿町356)
出演能楽師
吉田篤史 ほか
参加費
1回 15,000円 (2演目)
3回 39,000円 (5演目)
申し込み
各開催日の30日前まで (3回連続参加希望の場合は3月末まで) に電話またはEメールにて。申し込み先は下記URL参照。
〈文〉市井康延