パナソニックは、マイクロフォーサーズフォーマットのミラーレスカメラ「LUMIX GH5II」を2021年6月25日に発売する。価格はオープン。市場想定価格は、ボディ単体が194,000円、標準ズームレンズ付属のMキットは219,000円 (いずれも税込)。
LUMIX Sシリーズで培った最新技術を搭載し、エンジン等のキーデバイスを刷新するなどして基本性能を大幅にアップ。さらにLUMIX初となる無線ライブ配信機能を搭載。時間無制限の動画撮影を実現する。2021年5月26日に開催された新製品プレゼンテーションでは実機に触ることができた。
■基本性能
最新の「ヴィーナスエンジン」と有効画素数約2033万画素の「Live MOSセンサー」を搭載。ローパスフィルターレス設計により、高い解像力を実現する。センサー表面にAR (Anti Reflection) コーティング処理を施し、逆光の撮影時の反射を抑えてフレアを抑制している。
■外観
従来機種「LUMIX GH5」(左) と「LUMIX GH5II」(右) の比較。外観上の大きな違いは、赤色の動画撮影ボタンが目立つようになったことだ。
ロゴは、「GH5」の下に赤字で「II」の文字が加えられている。ボディの大きさは全く同じサイズ。重量は725gから727gへと2gほど重くなっている (バッテリー、SDメモリーカード1枚を含む)。
外部端子のコネクターは、ボディ側面に集中配置されている。ヘッドホンジャック、HDMI、USB Type-Cのコネクターが上から並ぶ。マイク端子はその上、ストラップ装着用のリング脇に設けられている。
UHS-II対応のダブルスロットを搭載する。
タッチパネル式のフリーアングル液晶モニターは、3.2型から3.0型になったものの約162万ドットから約184万ドットへ高精細になった。低照度でも被写体が確認できる「ライブビューブースト」、天体撮影など暗所撮影に最適な「ナイトモード」を搭載する。
■最大6.5段の手ブレ補正
フルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1H」で採用した最新の動画用手ブレ補正アルゴリズムを採用し、映像撮影時に自然で違和感のない手ブレ補正を行う。センサーシフト方式の5軸ボディ内手ブレ補正 (B.I.S.) は、従来機種の5段よりも強力な6.5段の補正効果を実現。また、レンズ内手ブレ補正 (O.I.S.) を搭載したLUMIX Gシリーズのレンズ使用時には、B.I.S.と2軸のレンズ内手ブレ補正と協調する「Dual I.S. 2」により、望遠域までシャッター速度最大6.5段分の高い手ブレ補正効果をキープする。
■人物の後頭部や鳥にも対応するリアルタイム認識AF
AF性能が向上し、ディープラーニングを応用したリアルタイム認識AFの搭載により、顔・瞳認識に加えて、後ろ向きの人物の頭部をとらえる頭部認識、遠く小さな被写体全体をとらえる人体認識に対応する。さらに動物認識により、鳥、犬、猫などの動物に対しても高いフォーカス性能を発揮する。
■フォトスタイル
好みの色味やコントラスト・彩度などの画質を撮影前に調整できるフォトスタイルには、静止画から動画まで統一した色設定が可能な10のカラーと4つのモノクロームのモードを搭載。新たに搭載されたのは「L.クラシックネオ」「L.モノクロームS」「シネライクD2」「シネライクV2」「フラット」のモノクロモードで、「モノクローム」や「L.モノクローム」「L.モノクロームD」「L.モノクロームS」選択時には、黄色・オレンジ・赤・緑のフィルター効果を加えることも可能。モノクロフィルムで撮影するように、特定の色をモノトーンで強調し、印象的な描写ができる。
■スマホと連携して手軽に無線ライブ配信
LUMIXとして初めて無線ライブ配信機能が搭載された。スマートデバイスとテザリング接続することでライブ配信ができる。無料のモバイルアプリ「LUMIX Sync」を使い、ライブ配信の操作・設定が可能だ。ライブ配信用のストリームURLやストリームキー、タイトルなどの入力や配信画質設定などもできる。
また、大容量バッテリーパック「DMW-BLK22」や外部からの電源供給が可能なUSB給電・充電に対応しており、長時間の配信、撮影時間無制限の撮影が可能となっている。ライブ配信時には、モニター画面に青枠を表示することもできる。
■動画撮影機能
従来の4K/30pやCinema4K/24p 4:2:2 10 bit記録に加え、新たにCinema4K/60p 10 bit記録やCinema4K/30p 4:2:2 10 bit記録に対応した。また、4:3アスペクトのアナモフィックレンズに対応。4Kアナモフィック動画だけでなく、6K動画と同等程度の画素数を持つ高解像アナモフィックモード (4992×3744) にも対応する。
撮影アシスト機能は「LUMIX S1H」の機能を継承。カメラ内で10bitのLog撮影に対応し、映像編集時に自由度の高いカラーグレーディングが可能になっており、LUMIX SシリーズやシネマカメラVARICAMで撮影した動画と組み合わせて、一貫した絵作りの映像編集を行うことができる仕様となっている。
■時間無制限で動画撮影・配信が可能
独自の放熱システムとエンジンの省電力化により、時間制限なく動画を撮影することが可能。長時間の動画収録に加え、無線ライブ配信機能を使った配信でもオーバーヒートを抑制し、時間制限なく配信することができる。電源は、USB充電と給電が可能となっている。
■ファームアップでライブ配信機能が進化
2021年内のファームウェアアップデートで、有線IPストリーミング機能とスマートデバイスとのUSBテザリングへの対応を予定している。パソコンを有線LANケーブルで接続することで、高品位な映像と音声をより安定して配信することができるようになるほか、スマートデバイスをUSBケーブルで接続して、より安定したライブ配信が可能になる。
標準ズームレンズキット Mキット
標準ズームレンズ「LUMIX G VARIO 12-60mm / F3.5-5.6 ASPH. / POWER O.I.S.」(H-FS12060) が付属する。
LUMIX GH5II 主な仕様
品番 DC-GH5M2 (ボディ)、DC-GH5M2M (Mキット)
有効画素数 2033万画素
撮像素子 4/3型Live MOS センサー
マウント マイクロフォーサーズマウント
ISO感度 ISO 100~25600
ファインダー 0.5型 約368万ドット 有機ELファインダー (35mm判換算 約0.76倍)
画像モニター 3.0型 約184万ドット 静電容量方式タッチパネル液晶モニター
記録媒体 SD/SDHC/SDXCメモリーカード (ビデオスピードクラス90対応)
サイズ (幅×高さ×奥行き) 約138.5×98.1×87.4mm (突起部を除く)
質量 約647g (本体のみ) / 約727g (バッテリー、メモリーカード1枚を含む)
付属品 ボディキャップ、ホットシューカバー、バッテリーグリップ接点カバー、ショルダーストラップ、バッテリーパック、バッテリーチャージャー、ACアダプター、USB接続ケーブル (A-C)、フラッシュシンクロ端子キャップ、ケーブルホルダー、アイカップ