ニコンは、中望遠等倍マクロレンズ「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」を2021年6月25日に発売する。希望小売価格は144,320円 (税込)。
NIKKOR Zレンズの中でもハイレベルな光学性能を発揮するS-Lineのレンズで、「最高峰の中望遠等倍マイクロレンズ」を謳っている。高い解像力と美しいボケを生かし、マクロ撮影からポートレートまで幅広く対応する。
■光学性能
後玉に大口径非球面レンズを採用してセンサー近くに配置。さらに3枚のEDレンズを採用することで、ニコン伝統の中望遠マイクロレンズの仕様を踏襲しながら、極めて高い光学性能を実現する。レンズ構成は11群16枚で、9枚の円形絞りを採用している。
コーティングには、ニコン独自の反射防止コーティング技術「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」の両方を採用し、フレアやゴーストを効果的に低減。画面内に強い光源を入れてドラマチックな表現をしたい場合でも、ヌケの良いクリアな画質を得ることができる。
■被写体に29cmまで寄って等倍マクロ撮影が可能
最短撮影距離は0.29mで、被写体にグッと近づいて撮影できる。ピント面の高い解像感と背景を大きくぼかしたダイナミックな表現が可能だ。
■フォーカス性能
新開発のSTM (ステッピングモーター) とマルチフォーカス方式※を採用。レンズの移動量が大きくなるマクロ撮影時にも高速・高精度なAFが可能だ。新開発のAFアルゴリズムにより、有効F値が変わっても高いAF精度を維持する。AF駆動範囲は、最短撮影距離の0.29mから0.5mの間に制限できるため、マクロ撮影時にもピントが合わせやすい。
MF時にもフォーカス送り量を細かく調整できる。電磁絞り機構の採用により、連写時も常に安定した露出制御が可能となっている。
※マルチフォーカス方式
複数のAF用駆動ユニットの連携で複数のフォーカス群の位置をミクロン単位で厳密に制御するAF駆動方式。
■4.5段の手ブレ補正
手ブレ補正VR機構を内蔵し、最大4.5段の手ブレ補正効果が得られる。カメラのボディ内手ブレ補正機構と協働した5軸手ブレ補正が可能で、動画撮影時にも高い効果を発揮する。
■軽量設計
開放F値2.8の大口径中望遠等倍マイクロレンズながら、約630gの軽量化を実現した。「Z 7II」との組み合わせでは、ニコンFマウントの「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」と「D850」の組み合わせよりも約420g軽量化されている。なお、フィルター径は62mmで、「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED」に使用していたフィルターをそのまま使うことができる。
■操作性
Zレンズに共通で採用しているコントロールリングには、絞り (パワー絞り)、ISO感度、露出補正を割り当てることができる。コントロールリングをクリックレスとすることで、動画撮影時に駆動音や操作音を気にせず撮影することが可能だ。
■防塵・防滴・防汚性能
各所に施したシーリングと、レンズマウントに採用したゴムリングにより、高い防塵・防滴性能を確保。レンズ最前面にはフッ素コートを施しており、汚れが付着しにくく、付着した場合も簡単に拭き取ることができる。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S 主な仕様
マウント ニコンZマウント
焦点距離 105mm
開放絞り F2.8
最小絞り F51 (撮影距離0.29m時)
レンズ構成 11群16枚 (EDレンズ3枚、非球面レンズ1枚)
画角 23°10′(撮像範囲FX)、15°20′(撮像範囲DX)
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最短撮影距離 撮像面から0.29m
最大撮影倍率 1倍
フィルターサイズ φ62mm
大きさ (最大径×長さ) 約φ85×140mm
質量 約630g
付属品 レンズキャップ 62mm LC-62B (スプリング式)、裏ぶた LF-N1、バヨネットフード HB-99、レンズケース CL-C2