キヤノンは、新たに立ち上げるVR映像撮影システム「EOS VR SYSTEM」に対応したキヤノン初のVRレンズ「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」を2021年12月下旬に発売する。価格はオープンで、キヤノンオンラインショップ直販価格は275,000円 (税込)。
<2021.12.17> 発売日が2021年12月24日に決定。
■EOS VR SYSTEMとは?
8K・3Dの180°VR (バーチャルリアリティ=仮想現実) 映像を実現するもので、専用のVRレンズ「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」を使って撮影する。通常は2つのセンサーで撮影するVR映像を単一のセンサーで撮影することで、撮影から編集までのワークフローを短縮した。有償のVR動画確認・変換アプリ「EOS VR Utility」、動画編集プラグイン「EOS VR Plugin for Adobe Premiere Pro」も12月下旬に提供される予定だ。
なお、現時点で「EOS VR SYSTEM」に対応するカメラは「EOS R5」のみとなっており、12月上旬公開予定のファームウェアにアップデートする必要がある。また、RAWデータはアプリ・プラグインの変換非対応。記録フォーマットはDCIが推奨されている。
<サンプル動画>
※「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」で撮影。VRゴーグルでの視聴を推奨。
■光学性能
「RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE」は5.2mmの魚眼レンズを2個搭載し、視差を利用した「3D立体視」の撮影を実現する。開放値F2.8の大口径Lレンズで、カメラには魚眼画像で8K相当の動画が記録される。画角は水平・垂直・対角線とも190°となっているが、画面両端にはケラレが生じる。
レンズ構成はUDレンズ2枚を含む10群12枚構成で、7枚の絞り羽根を採用。最小絞りはF16、最短撮影距離は0.2mだ。後部にゼラチンフィルターを装着可能なフィルターホルダーを備え、NDフィルターを装着すれば、日中の屋外撮影でも光量を抑えた撮影ができる。
■露出のバラツキを抑える2眼電動光彩絞り (EMD)
左右の各レンズには「電動虹彩絞り (EMD)」を搭載。露出を電子制御することで、左右の映像で露出のバラツキが起きないようになっている。
■特殊コーティング「SWC」で反射を防止
キヤノン独自の特殊コーティング「SWC (Subwavelength Structure Coating)」を採用し、逆光時のゴーストを低減する。SWCは、レンズの表面に可視光の波長 (380~780nm) より小さいナノメートル単位のくさび状の構造物を無数に並べることで、実質的に光が境界面を感じないようにするコーティング技術。ほかのRFレンズやEFレンズにも採用されているが、画角の広いVRレンズでも、屋外での撮影に高い効果を発揮する。
Canon RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE 主な仕様
マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 5.2mm
開放絞り F2.8
最小絞り F16
レンズ構成 10群12枚
画角 水平 190°00′、垂直 190°00′、対角線 190°00′
絞り羽根枚数 7枚
最短撮影距離 0.2m
最大撮影倍率 0.03倍
フィルター 後部にゼラチンフィルターを装着可能
幅×長さ 約121.1×53.5mm
質量 約350g
付属品 レンズキャップ 5.2、ケース LS1014