キヤノンは、国際研究プロジェクト「Project Dragonfly」が研究を進める望遠鏡アレイ「Dragonfly Telephoto Array」の拡張計画に協力することを発表しました。
■カメラ用交換レンズを束ねて宇宙を観測する「望遠鏡アレイ」
「望遠鏡アレイ」とは、複数の大口径超望遠レンズを束ねて1つの大きな望遠鏡のようにして、宇宙の観測に活用するというものです。米国のイェール大学とカナダのトロント大学による国際研究プロジェクト「Project Dragonfly」では、キヤノンの大口径超望遠単焦点レンズ「EF400mm F2.8L IS II USM」を束ねた「Dragonfly Telephoto Array」を2013年に設計。従来の望遠鏡では見つけることが困難だった大きな銀河を撮影できるようになりました。
■キヤノンの協力で望遠鏡アレイがパワーアップ
この研究を支援するため、キヤノンは2015年に40本の「EF400mm F2.8L IS II USM」を提供し、48本の望遠鏡アレイへの拡張に協力。それにより、銀河系外天文学における大きな成果を生み出しました。
そして今回、キヤノンUSAによる120本の「EF400mm F2.8L IS II USM」の提供とキヤノンの技術協力により、望遠鏡アレイのさらなる拡張を計画。総計168本のレンズを備えた望遠鏡アレイは、焦点距離40cm、口径1.8mの屈折望遠鏡と同等の集光力を備え、宇宙科学の発展に貢献することが期待されます。
私たちの身近にあるカメラ用レンズが、宇宙の謎の解明に使われているというのは感慨深いものですね。今後の研究発表に要注目です。
〈文〉佐藤陽子