鳥原学さんの著書『教養としての写真全史』が発売された。
目の前にある風景を、レンズを通して1枚の紙に定着させる。そうして始まった写真は、その後、多様な広がりを持つ表現手段として発展した。記録、報道、コミュニケーション、芸術など。本書では枝葉に分かれた一つ一つの流れを追い、代表作を交えながら歴史をたどる。
1935年、安井仲治は100年後の写真として、写真が一般化した現代を予想していたそうだ。歴史は面白い。
鳥原 学『教養としての写真全史』
体裁 四六判・400ページ
価格 2,090円(税込)
発売日 2021年10月14日
発行元 筑摩書房
鳥原 学 (Manabu Torihara)
1965年、大阪府生まれ。近畿大学商学部卒。1993年から写真弘社で写真ギャラリー「ギャラリー・アートグラフ」運営担当。2000年からフリーに。現在、写真評論家。日本写真芸術専門学校、東京ビジュアルアーツ、東京造形大学で講師をつとめる。2017年、日本写真協会賞学芸賞受賞。著書に『日本写真史』(中公新書)、『写真のなかの「わたし」』(ちくまプリマー新書)、『時代を写した写真家100人の肖像』(玄光社) など。
〈文〉市井康延