OMデジタルソリューションズが、2022年3月に発売するマイクロフォーサーズフォーマットのミラーレスカメラ「OM SYSTEM OM-1」。CP+2022の会場イベントが中止になったことで、実際に手にできる機会がしばらく先になってしまったが、一足早くカメラに触れることができたので、その様子をお伝えしよう。
「OM-D E-M1 Mark III」と外観を比べてみた
「OM SYSTEM OM-1」は、「OM SYSTEM」カメラのフラッグシップモデルと位置付けられているミラーレスカメラだ。ペンタ部にはOLYMPUSのロゴが刻印されており、「OM-1」の機種名はシャッター脇に、「OM SYSTEM」のロゴは正面右下に記されている。
「OM-D E-M1 Mark III」(左) と「OM-1」(右) の外観を比べてみた。「OM-1」のほうがやや背が高くなっている。また、ボタンやダイヤルの配置は大きく変わっていないものの、軍艦部、特にシャッター周りがスッキリとした印象になっているのがわかる。ストラップ取り付け金具が左右非対称なのは同じだ。
右が「OM-1」、左が「OM-D E-M1 Mark III」。後ろから見ると、シャッターボタンの傾斜やペンタ部の張り出し方など、細部に違いがあるのがよりはっきりとわかる。アイピースの形状も変更されている。外装を見比べると「OM-1」は光沢感がさらに抑えられ、ザラつきも軽減。やや明るめのマット調の仕上げになっており、重厚感よりも軽快感が増した感じだ。
ホールド感が良くなって各部の操作性が向上した
シャッターボタンは上から見えないほど前側に位置し、グリップのホールド感が向上した。グリップをしっかり握ることができ、親指と人差し指でダイヤル操作がしやすくなっただけでなく、間違えて背面のボタンに触れることも少なくなるように感じた。スペック的には「OM-D E-M1 Mark III」よりわずかに重くなっているものの、大きさやバランスは大きく変わっていない印象だ。
ファインダーを覗いた状態。EVFは約576万ドットで、表示遅延時間0.005秒、120コマ/秒の高速表示を実現しているだけに、明るい光学ファインダーを覗いているような印象で、違和感は感じない。ナチュラルな表示も好感が持てる。
ピント合わせやメニュー操作などで利用頻度の高い背面液晶モニターは、約162万ドットの3.0型タッチパネル式。ファインダー右側にはAELボタンが設けられている。AF-ONボタンから分離独立したことで、AEだけをロックすることができるようになった。
液晶モニターは2軸可動式。反転させて前面に向け、自撮りや集合写真の撮影にも利用できる。モニター枠には突起がなく、ボディ側に設けられている大きな切り欠きを使ってモニターを引き上げる。
メニュー構成は、視認性がアップ。設定項目を見つけやすく、ミスなく設定できて確認しやすいものに一新されている。ページの切り替えは前後のダイヤルで、項目の選択はジョイスティックを使って行う。
カードスロットは、上下配置のダブルSDカードスロットを採用。どちらもUHS-IIインターフェースに対応しており、同一書き込みや振り分けといった設定が可能だ。
左側面には入出力端子が配置されている。上からマイク端子、ヘッドホン端子、HDMI端子、 USB端子が並ぶ。ボディは防塵・防滴保護等級IP53の防滴性能と防塵機構を備えている。
大容量のリチウムイオン充電池「BLX-1」は、従来機との互換性がない。同梱のUSBケーブルかACアダプターを使って、カメラボディ内の充電池を充電・給電することが可能となっている。充電器は同梱されないので、使用する場合は別途購入する必要がある。
同時発表された2本の新レンズにも注目
「OM-1」に装着した「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO」(左) と「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II」(右)。どちらのレンズもフィルター径はφ62mmに統一されている。
沈胴式を採用する「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO」。収納時は全長約99.4mmだ。
ズームリングを回して、焦点距離40mm (35mm判換算 80mm相当) になったところ。ロックなどはないため、ズームリングを回すワンアクションで撮影できる状態になる。使用時の全長は約124mm。
さらにズームリングを回して、焦点距離150mm (35mm判換算 300mm相当) の望遠端にしたところ。インナーズーム方式を採用しているため、焦点距離を変えてもレンズの全長が変化しない。また、「OM-1」と同じ防塵・防滴保護等級IP53となっている。
「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO II」には、花形フードが付属する。光学系は現行モデルの「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」と変わっていないが、レンズの加工技術や精度の向上、コーティングなどの違いから、画質が向上している。防塵・防滴保護等級IP53を備え、「OM-1」などの機種と組み合わせて使うことで威力を発揮する。