キヤノンの交換レンズ用レンズフードをモチーフにした漆器「レンズフード 漆器 (しっき)」と「レンズフード 螺鈿 (らでん)」の販売プロジェクトが、クラウドファンディングサイト Makuakeにてスタートしました。
ラインナップは、「レンズフード 漆器・花」「レンズフード 漆器・筒」「レンズフード 螺鈿・筒」の3種類。石川県加賀市にある木地屋「匠頭漆工 (しょうずしっこう)」と株式会社アルヴォリが共同開発した商品で、キヤノンマーケディングジャパンが器の形や色などに関するアドバイスを行っています。
いずれも数量限定。先着で早割価格も用意されています。プロジェクトはAll in型のため、目標金額の達成に関わらず販売終了日の2022年4月13日までに支払いを完了した時点で応援購入が成立。注文後に1つ1つ職人により手作りされ、2022年7月末までに発送予定です。
■カメラと伝統工芸のコラボアイテム
キヤノンマーケディングジャパンがデザイン監修した伝統工芸品は、これまでに「東京くみひもカメラストラップ」「江戸切子レンズグラス」「九谷焼レンズ盃」と、多彩に展開されてきました。「レンズフード漆器」「レンズフード螺鈿」は、そのシリーズの第4弾。卓越した木工技術でキヤノンの交換レンズ用レンズフードの造形を追求し、木のぬくもり、漆ならではの質感、螺鈿細工の輝きが味わえる贅沢かつユニークな逸品です。今回のクラウドファンディングは先行販売となり、応援購入の結果によって今後の取り扱いやラインナップが検討されるそうです。
レンズフード 漆器・花
キヤノンの花型レンズフード「EW-73D」がモデル。豆皿としての用途のほか、「江戸切子レンズグラス」やキヤノン公式ファングッズ「レンズタンブラー MC-MG004」用のコースターとしても使えます。
フードを逆付けしたときのような、「レンズフード 漆器・花」と「江戸切子レンズ 十草」の組み合わせ。
レンズフード 漆器・筒
キヤノンのレンズフード「ET-63」をモデルとした、筒形の漆器。下部のくびれも忠実に再現されています。飲み物や汁物、煮物などの器として日常的に活躍してくれそうです。
内側と裏面は拭き漆塗装。木目の美しさを堪能できます。
レンズフード 螺鈿・筒
「レンズフード 漆器・筒」の内側底面に、レンズを表現した螺鈿細工が施された豪華な逸品です。
螺鈿は、夜行貝やあわび貝を0.1ミリの薄さに磨き上げ、手作業で虹色の輝きをコントロールしながら貼るとのこと。透明な飲み物を入れるとその輝きがゆらめき、より一層神秘的です。
支援額 (税込)
- レンズフード 漆器・花 7,920円 (早割 限定10個)
- レンズフード 漆器・花 8,800円 (限定10個)
- レンズフード 漆器・筒 5,940円 (早割 限定20個)
- レンズフード 漆器・筒 6,600円 (限定20個)
- レンズフード 螺鈿・筒 17,600円 (限定10個)
レンズフード型の漆器を実現する伝統工芸士の職人技
石川県加賀市を中心として作られる伝統的工芸品「山中漆器」。匠頭漆工は、その伝統を支えてきた木地屋です。
「ろくろ挽き」という、原料木をくりぬく技法でレンズフードの形が作られます。匠頭漆工代表兼職人頭の伝統工芸士・久保出章二さんは、キャリア60年の木地師です。
漆塗りは、漆を何度も塗っては磨くという作業を繰り返します。上塗りを行った滑らかな漆器が一般的ですが、「レンズフード漆器 / 螺鈿」は地の粉を塗る「下地塗り」の段階であえて止めて仕上げられています。そうすることで、レンズフードの独特なシボ感と模様を見事に表現。また、キズが付いても目立ちにくいという利点もあります。
「レンズフード“螺鈿・筒”」には、虹色光沢のある貝の真珠層を漆地に貼る「螺鈿」が施されています。富山県高岡市の工芸品「高岡漆器」で用いられる「青貝塗 (あおがいぬり)」という技法によるもので、その伝統を受け継ぐ伝統工芸士・武蔵川剛嗣さんが手掛けています。
〈文〉佐藤陽子