ドイツのライカカメラ社は、世界最大の写真関連用品専門オークション「Leitz Photographica Auction」(ライツ・フォトグラフィカ・オークション)」をドイツ・ウェッツラーにあるライツ・パークで、2022年6月11日に開催する。貴重な年代物のカメラをはじめ写真関連の希少品を取り扱うオークションとしては世界有数の本会は今回40回目を迎え、同時に誕生20周年を記念する開催となる。
最注目アイテムは「Leica 0-Series No.105」
今回の目玉アイテムは1923年製造の「Leica 0-Series No.105」。35mmカメラのプロトタイプとして20台ほど製造された「ライカ0型」の中の1台。現存するのは10台ほどで、いかに貴重なカメラであるかがわかる。
さらに注目すべきは、35mmカメラの産みの親であるオスカー・バルナックが個人所有していたカメラの1台であり、ファインダー部分に“Oskar Barnack”という刻印がみられる点だ。
カメラの歴史上非常に価値があることに加え、前所有者がカメラ史に名を刻む人物であることから、落札価格は200万〜300万ユーロと予想される。なお、2018年に開催された第32回「Leitz Photographica Auction」では、同じ「ライカ0型」のNo.122が240万ユーロ (約3億円) という驚異的な金額で落札され、現在もオークションでのカメラの落札価格の世界記録となっている。
特別アイテムは金色に輝く「Leica MP」
「Leitz Photographica Auction」誕生20周年を記念する出品アイテムは、「Leica MP」(シリアルナンバー 5630769) と「Leica Elmar-M 1:2.8/50」(シリアルナンバー 3739015) のセット。
35mmフィルムカメラの「Leica MP」は、金属部分を電気金メッキの技法を用いて美しい金色のボディに仕上げている。カメラ上面には通常の刻印は一切なく、シリアルナンバーだけが巻き上げレバーにさりげなく刻印されている。セットとなる沈胴式の「Leica Elmar-M 1:2.8/50」は、刻印されている文字や数字の色が通常のホワイトでなく、ゴールドとなっている。
この「Leica MP」セットは、チャリティーアイテムとなっており、落札金はオーストリアとドイツの慈善団体に寄付される。
ライカの希少モデルや試作品も出品
ほかにも、Leica MP ブラックペイントNo.26、SUMMILUX 1.4/50mmクロームプロトタイプ、60cmミラーレンズの試作機、ライカ16 (16mmフィルムカメラ) の試作品など、このオークション以外で目にすることができないユニークなアイテムが揃っている。
オークションに出品されるアイテムは「Leitz Photographica Auction」の公式サイトで確認できる。オークションの入札は、2022年6月11日午前11時 (中央ヨーロッパ時間) より会場で行うほか、ライブオークションサイトからリアルタイムで行う。また、オンライン、書面、電話による事前入札も可能となっている。