DJI は、新型ジンバル「DJI RS 3 / DJI RS 3 Pro」と伝送システム「DJI Transmission」を発表した。「DJI RS 3」単体・コンボは2022年6月24日発売、「DJI RS 3 Pro」単体は6月29日発売。「DJI RS 3 Pro コンボ」は7月下旬発売予定、「DJI Transmission」は9月に予約開始予定だ。
デジタルカメラで映像を撮影するときブレなどを抑えスムーズな映像を与えてくれるのがジンバル。「DJI RS 3」と「DJI RS 3 Pro」は、「DJI RS 2」シリーズを進化させた後継機。安定化性能が前モデルより20%向上、ローアングル撮影や走りながらの撮影、走っている車での撮影がより容易になった。焦点距離最大100mmのレンズに対応できるSuperSmoothモードでは、さらに高い安定性能を発揮、ブレのない映像が撮影できる。
DJI RS 3
ジンバルの電源を入れるだけで、自動で軸ロックが解除、ジンバルが展開し、素早く撮影を開始できる。電源ボタンを1度押すとジンバルはスリープモードに入るため、デバイスの電源オン/オフや収納、移動がよりスピーディに行なえる。さらに、クイックリリースプレート上でカメラの取り付け位置を記録できるため、カメラを取り付ける度にバランス調整を繰り返す必要がない。
ディスプレイサイズが前モデルより80%大きい1.8インチの有機ELフルカラータッチ画面を搭載。タッチ画面上で直接操作できる。また、UIや操作フローを再設計、指先だけで様々な操作を行なえるようになった。新たに Bluetooth シャッターボタンにも対応し、ワイヤレスでシャッター操作ができる。
バッテリーは最大12時間駆動し、バッテリー残量を気にすることなく、撮影に集中できる。18WのPD急速充電対応で使用中でも充電可能だ。本体重量はわずか1.3kgと片手で簡単に持つことができ、積載量 (試験値) は3kgを達成している。
■DJI RS 3 (単体)
2022年6月24日発売
[参考価格] 66,000円 (税込)
[セット内容]
ジンバル、BG21グリップ、USB-C 充電ケーブル、レンズ固定サポート、 延長用グリップ/三脚(プラスチック製)、クイックリリースプレート、マルチカメラ制御ケーブル、ねじ用キット■DJI RS 3 コンボ
2022年6月24日発売
[参考価格] 79,200円 (税込)
[セット内容]
単体版の同梱品に加え、ブリーフケースハンドル、フォーカスモーター (2022)、フォーカスモーター ロッドマウントキット、フォーカスギア ストリップ、マルチカメラ制御ケーブル (2本目)、レンズサポート (ストラップ固定式)、キャリーケース
DJI RS 3 Pro
プロ向けの「DJI RS 3 Pro」は、アーム部分が長くなり、より大きなカメラも搭載可能。アーム部分にカーボンファイバーを使うことで、重量増加を抑えている。
バランス調整のためのスペースが確保されたことで、「ソニー FX6」や「キヤノン EOS C70」「RED KOMODO」といったプロカメラにも対応。「DJI RS 3」と同じく、自動軸ロック、Bluetoothシャッターボタン、1.8インチOLEDタッチ画面、ジンバルモードスイッチも備えている。「DJI RS 3 Pro」の本体重量は1.5kg、積載量 (試験値) は4.5kgとなる。
「DJI RS 3 Pro」は、「LiDARフォーカスシステム」を継承「DJI LiDARレンジファインダー (RS)」を装着することで、屋内14mの範囲で43,200点の測距点を検知でき、トルクが3倍強化された次世代フォーカスモーターにより、マニュアルレンズでのオートフォーカスが可能となる。
「DJI LiDARレンジファインダー」には、独自開発のチップと焦点距離30mmのカメラを搭載することで、被写体を自動追尾する「ActiveTrack」の計算能力が60倍以上に向上。「ActiveTrack Pro」にも対応するなど、これまで以上に被写体認識やトラッキングの感度と精度が進化している。従来のように、繰り返しキャリブレーションする必要はなくなった。
■DJI RS 3 Pro (単体)
2022年6月29日発売
[参考価格] 99,000円 (税込)
[セット内容]
ジンバル ×1、BG30グリップ、USB-C充電ケーブル、レンズ固定サポート (延長用)、延長用グリップ/三脚 (金属製)、クイックリリースプレート、ブリーフケースハンドル、マルチカメラ制御ケーブル、ねじ用キット、キャリーケース■DJI RS 3 Pro コンボ
2022年7月下旬発売予定
[参考価格] 123,200円 (税込)
[セット内容]
単体版の同梱品に加え、クイックリリースプレート (延長用 ×1)、 スマートフォンホルダー、フォーカスモーター (2022)、フォーカスモーターロッドマウントキット、フォーカスギアストリップ、DJI Ronin 映像トランスミッター (旧 Ronin RavenEye 映像伝送システム)、面ファスナーストラップ ×2、レンズサポート (ストラップ固定式)、追加ケーブル
DJI Transmission
ジンバルとカメラで撮影した映像をワイヤレスで伝送でき、ジンバルの制御も可能になる電装システム「DJI Transmission」も発表された。
「DJI Transmission」は、映像トランスミッターと7インチ、1,500ニトのDJI高輝度遠隔モニターで構成される。「DJI RS 3 Pro」と併用すると、ジンバルとカメラのコントローラーとして動作し、より多くの機能を実行することができる。
最大6km (日本国内 4km) の伝送を実現し、1080p/60fps映像伝送や16-bit 48 kHzでのライブ音声モニタリングなどに対応する。複雑な受信環境や建物の多い環境に対応するため、最大23チャンネル (日本国内 18チャンネル) から周波数帯を選べ、現地の状況に適した干渉のない伝送チャンネルを利用できる。
■DJI Transmission コンボ
2022年9月予約開始予定
[参考価格] 286,000円 (税込)
[セット内容]
DJI映像トランスミッター、DJI高輝度遠隔モニター、遠隔モニターフード、取り付けツールキット、RSジンバル取り付けプレート、Ronin 映像伝送アンテナ、保護ケース、WB37 インテリジェントバッテリー ×2、WB37 バッテリー充電ハブ ×1、その他ケーブルとバッテリーアダプター
なお、映像トランスミッター (税込 129,800円) と高輝度遠隔モニター (税込 162,800円) は個別でも購入可能。
〈文〉稲葉利二