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亡き親友への想いを宮沢賢治の童話に託して紡いだ 深沢次郎写真集『よだか』

深沢次郎さんが写真集『よだか』を上梓した。

深沢次郎写真集『よだか』

■収録作品ギャラリー

 

写されているのは山深い地で捉えられた風景の断片で、燃え盛る炎で始まる。その赤い色は禍々しく、全てを焼き尽くす地獄の業火にも思える。

深沢さんは3年前、親友を亡くした。病と闘いながらも言葉を編み続けていた彼だったが、その術すら奪われた。萌える緑や深い夜空に光る星の写真は、痛む心を鎮める。

本書の途中、親友の句を5編添えた。長い冬が終わり、春が訪れる。巻末に深沢さんはそう記す。

深沢次郎写真集『よだか』

深沢次郎 (写真・文)、鶴岡一生 (俳句)
体裁 270×180mm・120ページ
価格 4,950円(税込)
発売日 2022年4月1日
発行元 ふげん社

 

深沢次郎 (Jiro Fukasawa)

1968年、長野に生まれる。1989年、デニス・ホッパーの写真展を見た後、独学で写真を始める。1992年、早稲田大学商学部卒業。伊島薫事務所でのアシスタント勤務を経て1995年に独立。現在、フリーランス。神奈川県在住。
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〈文〉市井康延