水中写真家・鍵井靖章の写真集『にほんの海 日本列島海中景色紀行』が発売された。
日本の海を再発見する一冊
今回、鍵井が訪れたのは、南は南西諸島八重山列島から、北は北海道知床半島まで、全26地域の海。その中には、全国的にはあまり知られていない海も多く、改めて南北に長い日本の海の多様性を知ることができる一冊になっている。
また、写真の中には、サンゴ礁の「白化現象」や本州や北海道で海藻が消失する「磯焼け」や「赤潮」など、各地の海で起こっているさまざまな海の変化も捉えられている。そんな環境問題も鍵井ならではの絵作りで表現されている。
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“鍵井ブルー”を特殊インクで再現
鍵井らしい、明るく美しい海の「青」を表現するために、デザイナーの三村漢氏、株式会社東京印書館のプリンティングディレクター高柳昇氏の協力のもと、シアン(青色)は特色インク、マゼンタ(赤色)は彩度の高い広域色印刷専用の特殊インクを使用した。それによって、透明感のある美しい海の色を再現することが可能となった。
掲載地
南西諸島
八重山列島/宮古列島/沖縄諸島/奄美群島/薩南硫黄島・トカラ列島
九州
鹿児島県錦江湾/熊本県天草諸島/長崎県辰ノ口/福岡県玄界灘
四国
愛媛県愛南/高知県柏島
本州
瀬戸内海/紀伊半島/伊豆半島/伊豆諸島/三浦半島/房総半島/小笠原諸島/山口県青海島/山陰海岸/能登半島・富山湾/新潟県佐渡島/山形県飛島/三陸海岸
北海道
積丹半島/知床半島
鍵井靖章 プロフィール
1971年、兵庫県生まれ。水中写真家。1993年よりオーストラリア、伊豆、モルディブに拠点を移し、水中撮影に励む。1998年に帰国し、フリーランスフォトグラファーとして独立。自然のリズムに寄り添い、生き物にできるだけストレスを与えないような撮影スタイルを心がける。多彩な視点と色使いが人気で、大胆かつグラフィカルな水中写真で多くの人々を魅了する。また、3.11以降は、震災を経験した海に生きる生命を定期的に記録している。主な写真集に、『unknown』(日経ナショナルジオグラフィック社刊)、『不思議の国の海』(PIE International)など多数。2013年、2015年 日経ナショナルジオグラフィック優秀賞受賞など受賞歴多数。TBS「情熱大陸」、TBS 「クレイジージャーニー」などにも出演。
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書籍情報
『にほんの海 日本列島海中景色紀行』
判型:A4変型(278×210mm)
造本:オールカラー208ページ/並製
価格:4,620円(税込)
発売:2022年8月12日